請願

 

第201回国会 請願の要旨

新件番号 476 件名 最低賃金引上げ実施のための中小企業・小規模事業所への特別補助、下請中小企業支援に関する請願
要旨  一握りの大企業が巨大な収益を上げ、株主配当と内部留保を拡大する一方で、圧倒的多数の働く人々の生活は苦しくなる一方である。非正規雇用労働者は全労働者の四割に及び、年収三百万円未満で働く人は全労働者の六割近くに達している。日本の最低賃金は都道府県ごとに四つのランクに分けられ、二〇一九年の改定では、最高(東京、千十三円)と最低(十五県、七百九十円)で二百二十三円と三割近い格差がある。全国労働組合総連合などが実施している最低生計費試算調査によれば、若者が自立して人間らしく暮らすには全国どこでも月額二十二~二十五万円(時給千五百円程度)が必要であり、都市部と地方の格差はほとんどない。この地域間格差によって労働者が都市部に流出し、地方経済の疲弊が加速している。最低賃金法を改正し、全国一律最低賃金制度の創設を求める。さらに、全国で時給千円以上を今すぐ実現し、千五百円を実現させることを求める。そうすることで、一日八時間働けば人間らしい生活ができる社会、次代を担う若者たちが自立できる社会を展望できる。国民所得の底上げを図り、購買力を引き上げることで、特に地方経済の活性化が期待でき、都市部への人口流出を防ぎ、地域を支える中小企業を元気にすることができる。世界の主要国では全国一律が当たり前であり、米国ではニューヨーク州、カリフォルニア州などで最低賃金が時給十五ドルへ引き上げられ、低賃金で働く人々の収入改善につながっている。全国知事会が地域間格差の解消を求め、秋田県や山形県など多くの自治体が意見書を決議している。弁護士会や多くの政党が最低賃金の引上げ、地域間格差の是正を求めている。日本の最低賃金の抜本的な改善を求める世論が広がっている。地域経済を支える主役である中小企業・小規模事業所に最低賃金の引上げを保障する特別な財政措置を実施することを求める。さらに、単価の不当な切下げなど大企業の下請いじめを正すこと、原材料費などの諸経費と人件費が価格に適正に反映される仕組みの整備を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、最低賃金の引上げを円滑に実施するため、中小企業・小規模事業所への特別補助を行うとともに、原材料費と人件費が価格に適正に反映される仕組みを総合的に整備すること。

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