請願

 

第200回国会 請願の要旨

新件番号 484 件名 外国籍住民も「大阪市特別区設置住民投票」に投票ができるよう大都市法第七条・大都市令第四条を改正することに関する請願
要旨  日本を代表する大都市大阪には、二〇一九年三月時点で人口二百七十二万六千九百二十五人のうち十三万八千十六人、総人口の五%もの外国籍住民が暮らしている(うち永住外国人七万六千四百十六人、総人口の二・八%)。二〇一五年五月にいわゆる都構想の住民投票(大阪市特別区に関する住民投票)が実施されたが、同じ大阪市民である外国籍住民には投票権がなかった。二〇一二年に成立した大都市地域における特別区の設置に関する法律(以下「大都市法」という。)第七条(関係市町村における選挙人の投票)第六項と、大都市地域における特別区の設置に関する法律施行令(以下「大都市令」という。)第四条に基づき、公職選挙法に準じた選挙人により住民投票が実施されたためである。住民投票は本来、地方自治体の住民がその居住地域の将来を決める重要政策について意思を表明し、決定するための民主主義制度である。リコールや議会の解散など公職に関わるもの以外は公職選挙法の適用を受けない。そのため、独自の住民投票条例を作り、永住外国人など外国籍住民の投票権を認めた市町村もある(市町村合併の住民投票三百三十八件中百八十八件、五五・六二%。実施必至型条例九十八市町村中四十六件、四六・九四%)。人口二百万人以上の地域の自治体を廃止し、特別区に編成するという重要施策を決定する住民投票から、一部住民の意思表明の機会を奪う大都市法第七条・大都市令第四条は改正されるべきである。二〇一四年、大阪維新の会代表である橋下徹大阪市長(当時)は「まちの将来像を自分たちの手でつくり上げるのが本当の民主主義」と胸を張って特別区設置に関する住民投票を求めた。しかし、この「自分たち」や「本当の民主主義」に外国籍住民は含まれていなかったことになる。公職選挙法の適用を受けない住民投票に、選挙人に関してのみ公職選挙法を利用し、総人口の五%に達する外国籍住民を投票から除外するのは、本当の民主主義ではない。大阪市の将来を決定するこの重要な住民投票において、二度と一部の大阪市民をその選挙人から排除しないことを求める。大阪市外国籍住民施策基本指針(二〇〇四(平成十六)年改定)について、大阪市は、国籍や民族などの違いにかかわらず、一人一人がそれぞれの違いを認め合い、理解を深め、共に社会の一員として暮らし、そして活躍できる「全ての人の人権が尊重される社会」、「豊かな多文化共生社会」を築いていくとしている。これからも更にダイバーシティを推進し、発展させることが大阪の成長にとって不可欠である。
 ついては、外国籍住民も大阪市特別区設置住民投票に参加できるよう、次の事項について実現を図られたい。

一、永住者など一定の条件を満たす外国籍住民にも投票権を認めるよう、大都市法第七条と大都市令第四条を改正すること。

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