請願

 

第200回国会 請願の要旨

新件番号 62 件名 若い人も高齢者も安心できる年金制度に関する請願
要旨  二〇一九年度の年金は、物価が一%増だというのに僅か〇・一%増の改定にとどまった。賃金の〇・六%増を基準に、マクロ経済スライド〇・二%減と前年度見送られた〇・三%減を合わせて差し引いたためである。この七年間で物価は五・三%上がったにもかかわらず、年金は〇・八%も下がった。国は、制度の持続可能性、世代間の公平などと明確な論拠もない理由で年金を長年にわたって減らし続けるマクロ経済スライドを導入し、二〇一五年四月に初めて発動した。そして、今回、二〇一六年末に成立した年金カット法によるマクロ未調整分の繰越分の合算を実施したことで、国はどんな状況でも年金を減らし続けるというマクロ経済スライドが持つ冷酷さが一層明らかになった。基礎年金は満額でも月六万五千八円で「健康で文化的な生活」(憲法第二十五条)には程遠く、そこから医療・介護保険料が差し引かれて可処分所得は減り続け、高齢者の貧困が広がっている。
 ついては、高齢者の現在と若い人の将来の生活を成り立たなくする年金引下げの仕組みを一掃し、若い人も高齢者も安心して暮らせる年金制度をつくるため、次の事項について実現を図られたい。

一、年金引下げはやめること。際限のない年金引下げの仕組みである「マクロ経済スライド」は廃止すること。
二、六十五歳の年金支給開始年齢をこれ以上引き上げないこと。
三、年金は隔月支給ではなく、国際標準の毎月支給にすること。
四、全額国庫負担による「最低保障年金制度」を早急に実現すること。当面、基礎年金の国庫負担分月三・三万円を全ての高齢者に支給すること。
五、年金積立金の株式運用をやめ、年金保険料の軽減や年金給付の充実など被保険者・受給者のために運用すること。

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