請願

 

第198回国会 請願の要旨

新件番号 2636 件名 核兵器を禁止し、廃絶する条約締結を呼び掛けることに関する請願
要旨  人類は、今、破滅への道を進むのか命輝く青い地球を目指すのか岐路に立たされている。一九四五年八月六日、九日に米軍が投下した二発の原子爆弾は、一瞬で広島・長崎を壊滅させ、数十万の人々を無差別に殺傷した。真っ黒に焦げ、炭になったしかばね、ずるむけの体、無言で歩き続ける人々の列は生き地獄そのものであった。生き延びた人も次から次と倒れていった。七十年が過ぎた今も後障害にさいなまれ、子や孫への不安の中、生き抜いてきた。沈黙を強いられていた被爆者が一九五六年八月に長崎に集まり、日本原水爆被害者団体協議会を結成し、「自らを救い、私たちの体験を通して人類の危機を救おう」と誓い、世界に向けて「再び被爆者をつくるな」と訴え続けてきた。しかし、地球上では今なお戦乱や紛争が絶えず、罪のない人々が命を奪われている。核兵器を脅迫に使ったり、新たな核兵器を開発する動きもある。現存する一万数千発の核兵器の破壊力は、広島・長崎の二発の原爆の数万倍にも及ぶ。核兵器は、人類はもとより地球上に存在する全ての生命を断ち切り、環境を破壊し、地球を死の星にする悪魔の兵器である。人類は、生物兵器、化学兵器について、使用、開発、生産、保有を条約、議定書などで禁じてきた。それらをはるかに上回る破壊力を持つ核兵器を禁じることが必要である。被爆者は、核兵器を禁止し廃絶する条約を結ぶことを全ての国に求める。平均年齢八十歳を超えた被爆者は、後世の人々が生き地獄を体験しないように、生きている間に何としても核兵器のない世界を実現したいと切望している。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、被爆者は、速やかな核兵器廃絶を願っており、全ての国が核兵器を禁止し廃絶する条約を結ぶよう、呼び掛けること。

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