請願

 

第198回国会 請願の要旨

新件番号 1011 件名 原発事故処理費用の国民負担に反対し、原発ゼロと再生可能エネルギーの積極的な普及等を求めることに関する請願
要旨  近年、地球環境が異常を来し、異常気象、台風・集中豪雨・土砂災害や猛暑による熱中症多発など被害は身近に迫り、生態系・農業の激変が始まっている。地球温暖化を放置するとこれらが激化する。温暖化対策は待ったなしであり、この十~二十年の対策が危機回避の道であり、将来世代に対する責任である。福島第一原発事故は、空・大地・海を汚染し、ふるさとを奪い、いまだに七万近い人々に避難生活を強いている。事故収束・帰還さえ見通しが立たない。しかし、安倍政権は、原発事故がなかったように原発再稼働・原発輸出を進めている。しかも、被害者救済が不十分なまま、事故を起こした東京電力や他の原発事業者を救済すべく、原発事故関連費用や廃炉費用などを原発の電気を買わない企業・国民からも取るために送電料金などに上乗せする政策を進めている。パブリックコメントや世論に示されている原発再稼働反対の声を無視している。二十一世紀後半に温室効果ガス排出ゼロを目指すパリ協定により、世界では脱石炭、再生可能エネルギー一〇〇%への動きが急速である。日本政府は地球温暖化対策計画で二〇五〇年八〇%削減を定めたが、二〇三〇年目標は一九九〇年比で僅か一八%削減、しかも、この目標すら石炭火発が大増設されると達成が危うくなる。また、経済産業省の長期ビジョンは、二〇五〇年八〇%国内削減や政策導入に反対している。野心的な削減目標を設定し、原発も温暖化対策に逆行する石炭火発もやめ、省エネ・再生可能エネルギーを中心とする電力システムに転換することを国会での徹底審議を軸にした民主主義的な方法で進めるよう求める。
 ついては、原発事故の脅威も地球温暖化の悪影響も与えない地域社会を未来に手渡すため、次の事項について実現を図られたい。

一、原発ゼロの方針を明確にし、原発事故処理・廃炉費用を税金と電気料金に上乗せしないこと。
二、石炭火発の新設を認めず、既設も段階的に停止すること。
三、再生可能エネルギーを積極的に普及し、優先的に接続・給電する電力システムに改善すること。また、熱エネルギー利用も普及支援すること。

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