請願

 

第198回国会 請願の要旨

新件番号 499 件名 家族農業を守り、食料自給率の向上を目指す食料・農業政策への転換に関する請願
要旨  安倍首相は、二〇一八年九月の日米首脳会談で物品貿易協定(TAG)の交渉を開始することに合意した。安倍首相は、物品貿易協定は「FTAとは全く異なる」と強弁しているが、日米共同声明にはTAGという言葉はなく、物品とサービスを含むその他の重要分野について交渉を行うことが明記されており、紛れもない日米FTA交渉である。現にトランプ大統領は、「我々はFTA交渉開始で合意した。これは日本がこれまで拒否していたものだ」と勝ち誇ってみせている。安倍首相は、農林水産物の関税引下げはTPP水準までが限度と主張し、アメリカ側がこれを尊重すると言っている。しかし、TPPは史上最悪の農産物自由化協定であり、TPP合意水準まで譲歩すると一方的に誓約したこと自体が大問題である。さらに、日欧EPAで既にチーズ、木材などTPP以上の譲歩をしている中で、アメリカがTPP水準を出発点に、これをはるかに上回る譲歩を強要することは火を見るよりも明らかである。二〇一八年六月、政府はTPP11(アメリカを除いた十一か国によるTPP協定)の国会批准を強行し、七月に日欧EPAに調印している。また、RCEPでは年内妥結を目指す協議を進めるなど、際限のない自由化ドミノが始まっている。国連は、二〇一九年からの十年間を国連「家族農業の十年」とした。飢餓と貧困の克服、持続可能な社会のために家族農業の役割を再評価し、各国に政策転換を求めている。しかし、安倍政権は農業の産業化を標榜(ひょうぼう)し、家族農業を締め出す農業・農協改革を推し進めている。農村では農家戸数は激減し、地域を維持することすらままならない状況が進行している。今こそ、家族農業を基調とする農業政策へ転換し、食料自給率の向上を目指すときである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、家族農業を基調とする農業政策へ転換し、食料自給率の向上を目指すこと。

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