請願

 

第198回国会 請願の要旨

新件番号 267 件名 建設アスベスト被害の全面解決に関する請願
要旨  建設アスベスト訴訟において国の責任を認める判決は、二〇一八年九月二十日の大阪高裁判決で十回連続となった。使用者に対し労働者に防じんマスクを使用させることの義務付けの遅れや、石綿建材への警告表示や建設現場における警告掲示の義務付けを怠ったことなど、国の責任は明確である。一人親方等に対する国の責任を認める判決の流れも定着しつつある。建材メーカーの損害賠償義務を認める判決も五回にわたって出されている。既に、国と建材メーカーの責任を認める判決の枠組みは固まった。中皮腫や肺がん、石綿肺等のアスベスト関連疾患は、極めて重篤でかつ不可逆的に進行し、多くの原告が解決を見ることなく亡くなっている。二〇〇八年の首都圏訴訟の提訴時から十年以上が経過したが、全国十二の訴訟の被害者原告七百三人のうち、現在生存している原告は僅か二八%に過ぎない。国が裁判を長引かせ、原告が次々に亡くなる事態が続いている。原告は、建設工事を通じ長年日本社会の屋台骨を支えてきた人たちである。原告の命あるうちの解決を望む声は実に切実である。一日も早い全面解決を図ることは、広く国民世論が求めるところである。国は、最高裁の判断を待つことなく、今こそ、原告以外の被害者も対象とした建設アスベスト被害者補償基金制度の創設を含む全面解決を図るべきである。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、国は建設アスベスト訴訟の原告に謝罪し、「建設アスベスト被害者補償基金制度」の創設を含む全面解決を図ること。

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