請願

 

第197回国会 請願の要旨

新件番号 475 件名 羽田空港発着便の江東区・都心低空飛行計画の撤回に関する請願
要旨  国土交通省は、国際競争力の強化を名目に二〇二〇年から羽田空港発着の旅客機を人口が密集する都心上空を低空で飛行させようとしている。江東区は北風時(年間約二百十日)にC滑走路を離陸した飛行機の上昇経路とされ、午前七時から十一時半、午後三時から七時の間、二~三分に一機、一日百八十七機、年間三万九千機が頭上を低空で通過していく。現行の飛行コースの航跡図を見れば、江東区の広い範囲が低空での上昇コースとなるのは明らかで、区内を通過する際の最低高度は湾岸道路上空九百メートル、永代通り上空千メートル、蔵前橋通り上空千三百メートル程度である。そのため、飛行機が通過するたびに大きな航空機騒音が上空から振りまかれ、テレビの視聴や会話が妨げられる。また、いらいらなどの精神症状のほか、睡眠妨害とそれに伴う健康被害、子供の学習障害、さらに航空機排ガス中の微小粒子による健康被害などが指摘されている。加えて、着陸側では落下物による人身事故の危険がある。羽田空港はこれまでも滑走路の増設・延長など機能強化のたびに航空機騒音が問題となり、住民・自治体との和解交渉を通じて、騒音や安全に配慮し、「離着陸時はできるだけ海上を活用する」「高度千八百メートル以下では陸上を経路としない」との原則が確立されてきた。今回の機能強化策は、長年の交渉で確立された原則を覆す重大な変更である。しかも、国土交通省は住民が求める教室型の説明会も追加の説明会も開催していない。住民犠牲の都心低空飛行計画に強く抗議する。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「羽田空港発着便の江東区・都心低空飛行計画」を撤回すること。

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