請願

 

第197回国会 請願の要旨

新件番号 361 件名 国民が安心して暮らせるための社会保障制度の確立に関する請願
要旨  急速な少子高齢化社会の流れにあって、団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年度には、社会保障給付費は百五十兆円に迫ると推計(厚生労働省発表)されている。政府はこうした状況に将来的に対応するため、二〇一一年に社会保障と税の一体改革をまとめ、二〇一三年末に成立したプログラム法にのっとって実行段階に移った。この法律の工程表により、二〇一四年から消費税率の引上げとともに、七十歳から七十四歳までの医療費自己負担の二割負担への段階的引上げが実施された。二〇一五年には介護保険においても利用者負担増や介護サービス受給の基準の引上げなどが実施され、年金においてもマクロ経済スライド発動による初の支給額削減や年金制度改革法の成立により新たな削減ルールが提起された。こうした一連の流れからは、社会保障制度改革国民会議報告書の理念が薄められ、確実に実施するとした「社会保障の充実・機能強化」を残念ながら感じることはできない。医療・介護・年金制度の充実を図り、持続可能な制度として確立することは、誰もが将来を見据え安心して働く上で極めて重要なことである。また、子育て支援や教育費負担の軽減、若者の就労保障等については、未来社会への先行投資として社会保障の施策の基本に据える必要がある。今、教職員の働き方が俎上(そじょう)に上っている。教職員の長時間労働は、業務量の増加に加え、複雑化する社会の中で多様な子供たちと向き合い、多くの困難な教育課題に取り組んできた結果である。長時間労働を是正し、教職員が一人一人の子供と向き合う時間を確保するためには、教職員定数の改善を図る等、抜本的な改革を実施し、安心して職務に専念できる環境を整えることが不可欠である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、国民の安心、安定した暮らしを保障するため、「社会的セーフティネット」としての年金・医療・介護等の社会保障制度と国庫負担増を含めた持続可能な財政基盤を確立すること。
二、子育て支援を拡充し、女性と若者の就労保障を推し進め、誰もが安心して暮らせる充実した社会保障制度を確立すること。

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