請願

 

第197回国会 請願の要旨

新件番号 281 件名 全ての私立学校に正規の養護教諭を配置し、子供の命と健康が守られる教育条件を求めることに関する請願
要旨  現在の日本の子供たちは、健康問題の深刻化に歯止めがかからない現状で、体と心には重大な異変も起こっている。重篤なアレルギー症状、腰痛、貧血、低体温、起立性調節障害、過敏性腸炎、睡眠障害、不定愁訴などの健康問題に加えて、ネット依存、自傷行為、鬱、不登校、ひきこもりなどの精神的な問題も増加している。また、貧困や虐待など深刻な要因や自閉症スペクトラムなど発達上の課題を抱える等、学校現場だけでなく医療機関や児童相談所など関係機関とのネットワークによる支援が必要な状況が多くある。養護教諭は、対処療法的対応にとどまるのではなく、その背景や根本原因にも目を向けて学校内外の連携の中核を担う役割を果たしている。養護教諭の配置は、公立では標準定数法により小学校八百五十一人、中・高校八百一人以上の学校に複数配置との基準がある。私立学校においても子供たちの実態は公立と同様であるが、養護教諭の配置や学校保健の校内体制や特別支援教育の現状は、公立学校に比べても大きく立ち後れている。戦後、学校教育法が施行され、養護訓導から養護教諭に位置付けられて七十年余り経た現在、私立学校ではいまだに教育職としての養護教諭が配置されていない現状、非正規雇用や一人で中高兼務などの現状が多くある。単位制や通信制の学校には支援を必要とする生徒が多数在籍しているが、養護教諭の配置状況は全日制と比較すると更に深刻である。全ての私立学校の子供の命と健康を守るため、正規雇用の養護教諭の配置と学校保健体制・特別支援教育体制の構築は喫緊の課題である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、全ての私立学校(幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校)に養護教諭を早急に配置すること。
二、私立学校について養護教諭の配置に公立学校と同様の基準を設けること。現行の複数配置基準は、「小学校八百五十一人、中学校、高校八百一人、特別支援学校六十一人以上」である。
三、学校教育法附則第七条(小学校、中学校及び中等教育学校には、第三十七条、第四十九条、第六十九条の規定にかかわらず、当分の間、養護教諭を置かないことができる)を削除すること。

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