請願

 

第197回国会 請願の要旨

新件番号 120 件名 地方債発行の根拠としての世代間公平に関する請願
要旨  地方自治体は、長年にわたって地方債発行の根拠を世代間の公平のためと主張してきた。ここで言う世代間の公平とは、次世代に負担を求めるということである。しかし、現在の社会情勢を見れば、人口減少、高齢化、環境問題、経済成長率の鈍化のどれを取っても世代間の公平の名の下に次世代に負担を求めるべき状況ではない。よって、地方債発行の理由として世代間の公平を主張することは、現在の社会情勢を考えれば不適切である旨を総務省から各自治体に周知することを求める。地方債には世代間の公平の機能があるとされているが、機能をいかすのは使う側がその時点の状況に応じ決定するものであり、今の時代は世代間の公平=次世代に負担を求める機能を使う時代ではない。地方債における世代間の公平には適正値を求める算式がない。適正値がないために金額は任意に決定され、それが正当化されている。自治体の財政報告書等では、地方債発行の目的として世代間の公平、将来負担の均衡化などの文言が記載されている。大辞林には、世代間公平は「経済発展の問題において、現在の世代の利益だけではなく、将来の世代の利益も考慮しなければならないという考え方」と記されており、地方債発行における世代間の公平とは真逆の考え方である。今、求められているのは、次世代に負担を転嫁する政策ではない。しかしながら、多くの自治体が誤った政策を取り続けている。それは、前例踏襲=前例依存症とも言える体質によるものである。加えて、議会を含む組織内において地方債=世代間の公平と言い続けてきた手前、今更、不合理を自らの判断で変更できないのである。変更は自らを否定することになるからである。したがって、監督官庁である総務省から何らかの形で、地方債発行理由としての世代間の公平は現今の状況下において好ましくない旨、指導、誘導する以外に方法がない。地方債発行の根拠としての世代間公平が否定されれば、地方債発行額は大幅に縮小され、自治体は無駄な金利負担がなくなる。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、地方債発行の理由として「世代間の公平を主張」することは現在の社会情勢を考えれば、不適切である旨を総務省から各自治体に周知すること。

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