請願

 

第196回国会 請願の要旨

新件番号 1867 件名 現下の雇用失業情勢を踏まえた労働行政体制の拡充・強化に関する請願
要旨  労働行政は、政府の「最大のチャレンジ」である「働き方改革」の推進を担っており、既に種々の対策を進めているが、今後も多くの課題への的確な対応が求められている。雇用の確保に関して、労働統計指標(有効求人倍率等)の多くは改善傾向を示しているものの、職種間のミスマッチが大きいことに加え、求人は非正規雇用、低賃金が多数を占め、依然として求職者が適職を得ることは容易ではない。こうした中、求職者一人一人と向き合い、ふさわしい能力開発等の丁寧な支援を進めるとともに、良質な雇用を確保する取組を担う公共職業安定所の役割が重要となっている。労働条件の確保に関して、過重労働による過労死・過労自死も後を絶たず、労災請求も高止まり傾向にある。また、労働基準監督官による臨検監督における労働基準法等の違反率は六〇%台後半で推移し、使い捨て企業、ブラック企業等への対策も急務である。さらに、労働災害の原因究明と災害防止対策の確立なども重要である。そのため、労働基準監督署の体制整備は欠かせない。さらに、セクハラやパワハラへの対応や女性の活躍推進等を担う労働局(雇用環境・均等部等)の体制整備も重要である。今、必要なことは、ILO条約や日本国憲法を遵守し、ナショナルミニマムを十全に保障する立場から、労働行政、職員の増員等による労働行政体制の整備・強化を図ることである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。
 
一、労働統計指標(有効求人倍率等)の多くは改善傾向を示しているものの、職種間のミスマッチが大きいことに加え、求人は非正規雇用、低賃金が多数を占め、依然として求職者が適職を得ることは容易ではなく、公共職業安定所による実効ある支援が重要である。また、働く人々の雇用環境も深刻で、労働基準監督官による臨検監督では六〇%台後半の高い違反率で推移し、長時間労働の削減や労働者の健康確保に向けた労働基準監督署の体制確保が重要である。さらに、セクハラやパワハラといった人権侵害を予防し、女性活躍等を推進する都道府県労働局の積極的な指導・援助が求められている。したがって、ILO条約や日本国憲法の趣旨にのっとり、労働者・国民のナショナルミニマムを十全に保障する労働行政体制を整備・強化することが必要である。
 1 東日本大震災からの復興対応を含め、労働者・国民の権利を保障するため、雇用・労働施策を充実させること。
 2 大幅に増加する行政需要に対応し、労働者・国民の権利保障を図るため、公共職業安定所や労働基準監督署、都道府県労働局の体制整備を行うこと。

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