請願

 

第196回国会 請願の要旨

新件番号 1400 件名 TPP11(CPTPP)協定を批准しないことに関する請願
要旨  二〇一八年一月二十三日、政府は、TPP11(包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定、CPTPP)が最終合意に達したと発表した。三月八日にチリで署名式を行い、今国会で批准を強行しようとしている。TPP11は、TPPからの米国の離脱を受けて残る十一か国が新たに結ぶ全七条の短い協定であるが、第一条「TPP協定の組込み」で八千ページに及ぶと言われる元のTPP協定を全て取り込むとしている。第二条「特定の規定の適用の停止(凍結)」でISDSや医薬品の特許、国有企業に関する規定の一部など二十二項目を停止(凍結)したが、これはTPP全体の約千項目のうち僅か二%にすぎず、経済や国民生活のあらゆる分野に悪影響をもたらすTPPの本質は変わっていない。そもそもTPPは、国会決議で「除外又は再協議の対象にする」としたはずの重要五品目(米、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖でん粉原料)のうち三割もの項目で関税を撤廃し、野菜や果物、林水産物についてはほぼ全てで関税を撤廃するなど、史上最悪の農産物輸入自由化協定である。さらに、七年後に輸出大国から関税やセーフガードの見直しを求められれば協議に応じなくてはならないなど、完全自由化へのレールが敷かれている。日本政府はTPP11の交渉に際して凍結を一切要求せず、これらの合意内容はそのまま生きている。その上、TPPで合意した乳製品の低関税輸入枠や牛肉・豚肉のセーフガードの発動基準は、米国からの輸入を含む数量を前提にしているにもかかわらず、TPP11で修正されなかった。そのため、オーストラリアやニュージーランドから大量の輸入を招き、米国産は別枠で更なる輸入自由化を求められることになり、TPP以上の悪影響が避けられない。TPPの影響は農業だけにとどまらず、輸入農産物の検査の省略、遺伝子組換え食品の輸入促進、医薬品価格決定への米製薬会社の関与、医療保険の空洞化など、人々の命や暮らしを守る様々な制度をなし崩しに破壊してしまう。TPPもTPP11も、到底認められない。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、TPP11協定の批准は行わないこと。

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