請願

 

第196回国会 請願の要旨

新件番号 548 件名 青少年健全育成基本法の制定に関する請願
要旨  明日の社会を担う青少年の健全育成は、全ての国民の願いである。しかし、我が国は今、深刻な少年事件のみならず凶悪犯罪の被害者になる青少年も後を絶たない。十代の少女四人を含む九人が犠牲になった神奈川県座間市における連続殺人事件は、青少年を取り巻く社会の病理があらわになった戦後史最悪の猟奇事件である。背景としてあったインターネット・スマートフォン等のネット社会がもたらす新しい有害情報・有害環境の出現に対し、厳しく対応が求められなければならない。また、地域社会においては、露骨な性描写や残虐シーンを売り物にする雑誌、ビデオ、コミック誌等を始めとする性産業の氾濫、テレビの有害番組の問題等も言うに及ばない。さらには、児童虐待等に象徴される家庭の崩壊、頻発するいじめや不登校等学校の問題などが指摘されている。青少年の荒廃は、大人が青少年を見守り支援し、時に戒めるという義務を果たさず、極端な有害環境さえも放置してきた結果と言わざるを得ない。これらの問題に対して、各都道府県の青少年健全育成条例が対処し一定の効果は上げてきたが、その限界性が指摘されている。今求められているのは、青少年の健全育成に対する基本理念や方針などを明確にし、有害環境から青少年を守るための国や地方公共団体、事業者そして保護者等の責務を明らかにする、一貫性のある包括的、体系的な法整備である。健全な青少年は健全な家庭から育成されるという原点に立ち返り、家庭の価値を基本理念に据えた青少年健全育成基本法の制定が必要である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「青少年健全育成基本法」を制定すること。

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