請願

 

第196回国会 請願の要旨

新件番号 525 件名 国の責任による三十五人学級前進、教育無償化、教育条件改善、行き届いた教育に関する請願
要旨  国の制度としての三十五人以下学級は、小学校一、二年生まで進んだものの、小学校三年生以降への広がりは見られない。子供の数が減少している今、僅かな教育予算増で三十五人以下学級を進めることができる。高校無償化に所得制限が導入され三年たち、見直しが行われる。所得制限をなくし、高校無償化復活を求めることが必要である。また、高校生等奨学給付金については、教育予算増による給付制奨学金制度の拡充が求められる。さらに、大学生への給付型奨学金もつくられたが、対象者数も額も決して十分なものとは言えず、一層の改善が必要である。国連は、日本政府に対して高等学校等就学支援金の改善を求め、二〇一八年五月三十一日までに回答するよう求めている。今こそ、高校・大学教育の無償化を実現する取組を広げることが重要である。また、特別支援学校の児童・生徒数が急増しているが、学校建設等が追い付かずに劣悪な教育環境のまま放置されている。幼稚園から大学まで全てにある設置基準を特別支援学校につくることは、待ったなしの課題である。さらに、特別支援学級の学級編制標準を引き下げることも必要である。日本の教育機関への公財政支出の対GDP比(二〇一三年度)は、三・二%でOECD諸国の中では下から二番目の低さである。OECD平均並みの四・五%まで段階的に引き上げていけば、小・中・高校の三十五人以下学級の実現のみならず、一人一人に行き届いた教育を保障するための教育条件整備と公立・私立共に就学前から大学までの教育の無償化を進めることが可能となる。安倍首相が言う憲法改正をしなくても無償化できることは明らかである。
 ついては、憲法と子どもの権利条約がいきる学校をつくるため、次の事項について実現を図られたい。

一、教育予算をOECD諸国並みに計画的・段階的に増やし、行き届いた教育条件整備を進めること。
二、国の責任で小・中学校、高等学校の三十五人以下学級を一刻も早く実現すること。また、幼稚園や特別支援学級・学校の学級編制標準の引下げを進めること。
三、教育費の保護者負担を軽減して教育の無償化を進めること。
 1 「高校無償化」を復活し、公立・私立共に学費の無償化を実現すること。
 2 私学助成国庫補助の増額と、就学支援金制度を更に拡充すること。
 3 必要とする全ての高校生・大学生に対する返済不要の「給付制奨学金」をつくること。
 4 大学等の学費を引き下げること。
四、公立・私立共に豊かな環境の下で学べるよう、教育条件や施設の改善を進めること。
 1 臨時教職員ではなく、正規・専任の教職員を増やすこと。
 2 特別支援学校の「設置基準」をつくり、特別支援学校の過大・過密問題を解消すること。
 3 体育館等の施設を含めた学校耐震化率一〇〇%を早期に実現すること。
五、東日本大震災などの地震や自然災害、福島原発事故の被害を受けた子供を守り、学校と地域の要望を反映した復旧・復興を進めること。

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