請願

 

第196回国会 請願の要旨

新件番号 179 件名 イージス・アショアの配備を行わないことに関する請願
要旨  政府は、北朝鮮による弾道ミサイル発射に対処するためとして、地上配備型迎撃ミサイルシステムイージス・アショアを二基導入し、二〇二三年度の運用開始を目指す方向で、二〇一七年度補正予算に調査費として二十八億円、二〇一八年度予算に設計費など七億三千万円を計上している。報道等によれば、秋田県秋田市の新屋演習場と山口県萩市のむつみ演習場が配備候補地とされている。イージス・アショアについては、配備によりかえって軍事的緊張を高めるのではないか、陸上に固定されたミサイルシステムは格好の攻撃対象になるのではないか、強力な電磁波によって健康や生活環境に大きな悪影響が生じるのではないか等、配備候補地とされた地域住民から様々な不安や懸念の声が上がっている。また、専門家の中からもシステムの性能に対する疑念が指摘されている。そもそも、イージス・アショアは、アメリカのミサイル防衛システムと密接に関連しており、専守防衛の枠を大きく逸脱する危険性がある。北朝鮮による度重なるミサイル発射などに見られる軍事的緊張に対しては、力による対決姿勢ではなく、対話に向けた外交努力によって平和的な解決を図るべきである。配備候補地とされている秋田市新屋地区は住宅密集地であり、幼稚園や小中学校、高等学校、高齢者福祉施設などが隣接しているが、地域住民の不安に対して、これまで説明は一切行われていない。これら多くの疑念や不安が広がっている状況で、一基約一千億円と見積もられ、実際には更に膨らむとも言われているイージス・アショアの配備計画を進めることは余りに拙速と言わざるを得ない。まずは、日本を取り巻く状況に対して、日本国憲法の枠内でどう外交的に向き合うのか、国民的な議論を進めることが先決である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「イージス・アショア」の配備を行わないこと。

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