請願

 

第195回国会 請願の要旨

新件番号 294 件名 共謀罪法の廃止を求めることに関する請願
要旨  政府は、テロ対策を口実に共謀罪法(改正組織犯罪処罰法)を強行成立させた。委員会での審議や採決を省略し、本会議で採決を強行するという民主主義を否定するやり方であった。共謀罪は、たとえ犯罪が実行されていなくても罪に問うことが可能であり、捜査機関が会話や散歩さえも含めたあらゆる行為を犯罪の準備に当たると判断して逮捕の対象にできるため、犯罪は実行されたときのみ処罰される(行為主義)、いかなる行為が犯罪に当たるかが明確に規定される(罪刑法定主義)という近代刑法の大原則に反している。また、このことは、行為ではなく何を考えているかという内心が罰せられることを意味し、憲法第十九条が保障する思想・良心の自由が大きく侵害され得るという重大な問題が含まれている。また、内心の捜査のために盗聴などの捜査が横行し、プライバシー権が根こそぎ侵される危険も極めて高くなる。法務大臣は、人権、環境保護団体も共謀罪による処罰対象になり得ると認めた。市民運動や労働運動など、政府の政策に疑問を持つ人たちが幅広く処罰されかねない。また、立法の根拠とされる国連のTOC条約はテロ対策ではなく、テロ等準備罪はテロ対策という政府の説明も破綻している。戦前、思想・言論弾圧に猛威を振るった治安維持法により、社会運動だけでなく、文化人、宗教者、学生など数十万人の市民が弾圧され、物が言えない戦争国家がつくられた。同じ過ちを繰り返してはならない。心に手錠を掛ける共謀罪は、思想・良心の自由、信教の自由、表現の自由、通信の秘密といった人権を何重にも侵害する違憲立法である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「共謀罪」法である「改正組織犯罪処罰法」を速やかに廃止すること。

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