請願

 

第193回国会 請願の要旨

新件番号 540 件名 JR大船渡線・気仙沼線全線の鉄路での復興に関する請願
要旨  東日本大震災で被災し、以後不通になっているJR大船渡線・気仙沼線の復興について、沿線自治体の長(大船渡市・陸前高田市・気仙沼市)は、平成二十七年十二月に相次いで現在の仮復旧のBRT体制を本復興と容認するという結論をJR東日本副社長と政府、復興副大臣に出したと報じられている。しかし、飽くまで鉄路での復興こそが大切である。震災からの復興が進んでいるという声もあるが、アクセスの悪さは復興の進展のもどかしさにつながる。鉄道復興の決定が皆に元気を与えることになる。鉄路による本復興を検討することを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、JR大船渡線・気仙沼線を鉄路で復興すること。

   理由
一、高架橋鉄道による津波避難タワーの建設は、将来の大津波にも対応できる避難路として有用である。
二、人口の少ない地方の鉄路は赤字だという観念があるが、赤字にならないような工夫が必要である。停車駅を減らし、速度が速く、短時間で移動できる方向を検討すべきである。盛駅から気仙沼駅まで三十分、気仙沼から仙台まで一時間弱という短時間で新幹線につながることが大切である。沿岸の高い線路の車窓からは、世界に誇る三陸復興国立公園の景観が広がり、インバウンドを始めとした旅行客、交流人口の増加が見込まれ、赤字路線の解決につながると想定する。
三、地方にとっての公共交通機関は、そこに暮らす人々の生命線である。費用対効果で赤字路線を無用とする論は、日本特有の田舎の生活を無視することにつながる。田舎が健在、心のふるさとであるから、お盆・正月の帰省列車や高速自動車道が混雑するのである。人の移動・物資輸送の未来を考えるとき、自動車社会のみでは解決できない多くの問題が出ている。少子高齢化社会、それに伴う交通事故の多発、大型車両の排気ガスは既に社会問題になっており、そこに鉄路による公共交通機関の大切な役割がある。

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