請願

 

第193回国会 請願の要旨

新件番号 504 件名 労働時間の規制強化に関する請願
要旨  長時間・過密労働や生体リズムを狂わせる夜勤交替制労働が広がり、心身の健康を損なう人、さらに、命まで落とす人が後を絶たない。過労死・過労自殺の件数は、労働災害補償を申請した人だけでも毎年五百人近くに及ぶが、それも氷山の一角である。過労による心身への影響は重大事故も引き起こし、その被害は、本人や家族だけでなく、利用者や居合わせた人にも及ぶ。健康を無視した働き方・働かせ方を法律で規制し、一日八時間、週四十時間以内の労働でまともに暮らせる社会を実現することは、全ての人にとって待ったなしの課題である。政府も働き方改革を筆頭に長時間労働の是正を上げている。ところが、内閣が提出した労働基準法改正法案には、残業時間の上限規制や勤務間のインターバル規制はなく、残業代ゼロで働かせ放題を合法にする高度プロフェッショナル制や不払残業の温床となる裁量労働制の拡大が盛り込まれている。過労死を増やし、女性の活躍推進に逆行する法案は、直ちに撤回すべきである。一方、野党四党が提出した長時間労働規制法案には、残業時間の上限規制や勤務間インターバル規制、労働時間管理の徹底、裁量労働制の要件の厳格化が盛り込まれ、超党派の賛同が得られる内容となっている。この法案を軸に労働基準法を改正し、実効ある規制を実現することを求める。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、「労働時間規制の適用除外の拡大」(高度プロフェッショナル制度)や「裁量労働制の対象拡大・手続緩和」を盛り込んだ、内閣提出の労働基準法「改正」法案は廃案にすること。
二、労働基準法の改正に当たっては、以下の規制強化を図ること。 
 1 時間外労働の上限として当面「限度基準」を法定化し、三六協定の特別条項は廃止すること。
 2 勤務の終了と開始の間に十一時間以上の間隔を置く「勤務間インターバル制度」を導入すること。
 3 夜勤交替制労働は社会に必要不可欠な事業に限り認め、法定労働時間を日勤労働者より短くすること。

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