請願

 

第193回国会 請願の要旨

新件番号 165 件名 国の責任による三十五人以下学級前進、教育無償化、教育条件改善、行き届いた教育に関する請願
要旨  国の制度改善と予算措置により三十五人以下学級は、小学校一、二年生に広がったものの、小学校三年生以降への前進は見られない。しかし、子供の数が減少している今、僅かな教育予算増だけで三十五人以下学級を計画的に前進させていくことが可能である。日本政府は、二〇一二年九月に国際人権規約第十三条第二項(b)(c)の留保を撤回して、無償教育の前進を国際公約した。その趣旨をいかして、教育予算を増やした上で、公立・私立共に学費の無償化を実現し、奨学給付金を拡充して給付制奨学金を確立していくことが求められる。また、特別支援学校の児童・生徒数が急増しているが、学校建設等が追い付かずに劣悪な教育環境のまま放置されている。幼稚園から大学まで全てにある設置基準を特別支援学校にも策定することは喫緊の課題である。日本の教育機関への公財政支出の対GDP比(二〇一二年度)は、三・五%でOECD諸国の中では六年連続最下位となっている。OECD平均並みの四・七%まで段階的に引き上げていけば、小・中・高校の三十五人以下学級の実現のみならず、一人一人に行き届いた教育を保障するための教育条件整備と、公立・私立共に就学前から大学まで教育の無償化を進めることが可能となる。
 ついては、憲法と子どもの権利条約がいきる学校をつくるため、次の事項について実現を図られたい。

一、教育予算をOECD諸国並みに計画的・段階的に増やし、行き届いた教育条件整備を進めること。
二、国の責任で小・中学校、高等学校の三十五人以下学級を一刻も早く実現すること。また、幼稚園や特別支援学級・学校の学級編制標準の引下げを進めること。
三、教育費の保護者負担を軽減して教育の無償化を進めること。
 1 「高校無償化」を復活し、公立・私立共に学費の無償化を実現すること。
 2 私学助成国庫補助の増額と、就学支援金制度を更に拡充すること。
 3 必要とする全ての高校生・大学生に対する返済不要の「給付制奨学金」をつくること。
四、公立・私立共に豊かな環境の下で学べるよう、教育条件や施設の改善を進めること。
 1 臨時教職員ではなく、正規・専任の教職員を増やすこと。
 2 特別支援学校の「設置基準」をつくり、特別支援学校の過大・過密問題を解消すること。
 3 体育館等の施設を含めた学校耐震化率一〇〇%を早期に実現すること。
五、東日本大震災などの地震や自然災害、福島原発事故の被害を受けた子供を守り、学校と地域の要望を反映した復旧・復興を進めること。

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