請願

 

第192回国会 請願の要旨

新件番号 1112 件名 給付型奨学金制度の導入・拡充と教育費負担の軽減に関する請願
要旨  大学の学費の高騰と家計収入の減少により、今や大学生の二人に一人が何らかの奨学金を利用している。さらに、不安定雇用や低賃金労働の拡大により、卒業しても返済に苦しみ、返したくても返せない人が増加している。諸外国では高等教育の無償化や給付型奨学金が主流となっており、貸与に頼り切った日本の制度は特異な存在である。貸与型奨学金制度は卒業後の安定した雇用が前提であり、雇用の不安定化を進めながら高額の教育費を個人にのみ負わせるシステムは限界に達している。その矛盾が若者が数百万円という奨学金返済(借金)を背負って社会に出ていくという形で象徴的に現れているのである。今の状況が続けば、貧困の連鎖にとどまらず、中間層までもが結婚・出産・子育てが困難となり、少子化・人口減を更に加速しかねない。未来を担う若者を社会全体で支え、持続可能な社会にするため、奨学金制度の改善と教育費負担の軽減を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、貸与型から給付型へ、奨学金制度を抜本的に転換すること。速やかに大学等において国の給付型奨学金制度を導入するとともに、高校を含めて拡充すること。
二、貸与型奨学金は無利子とし、延滞金は廃止(廃止までの間、返済金は元金・利息・延滞金の順に充当)すること。また、所得に応じた無理のない返済制度をつくり、返済困難者の実情に即して適切な救済を行うこと。
三、大学等の学費の引下げや授業料減免の拡充等の政策を実行すること。

一覧に戻る