請願

 

第192回国会 請願の要旨

新件番号 185 件名 米軍属による凶悪犯罪に抗議し、米軍基地撤去を求めることに関する請願
要旨  沖縄の米軍嘉手納基地に勤務する軍属によって二十歳の女性への暴行、殺人、遺体遺棄事件が引き起こされた。またしても引き起こされた許し難い凶悪事件に沖縄の怒りは燃え上がっている。沖縄における米軍犯罪は、一九七二年の施政権返還後の四十三年間だけでも、殺人、強姦(ごうかん)などの凶悪犯罪五百七十四件を含む五千八百九十六件に上っている。これは、氷山の一角と言われ、表に出ない事件を含めると数倍に上るとも言われている。これは、基地あるがゆえの犯罪であり、沖縄県民は日常的に犯罪の恐怖に脅かされている。沖縄県議会では、米軍による事件、事故への抗議決議が年平均三回以上上げられる異常な事態である。今回の事件についても五月二十六日、初めて「海兵隊撤退」の文言が盛り込まれ県議会決議が採択された。県民の中では全基地撤去の声が広がっている。事件が明らかになった五月十九日、記者に感想を求められた安倍首相は、抗議のコメントもせず立ち去った。また、二十五日に来日したオバマ大統領は、事件について遺憾の意は表明したものの謝罪は行わなかった。米軍事件多発の背景にあるのは、事件について日本側の捜査や裁判権を不当に制約している日米地位協定である。沖縄県民が強く求めている日米地位協定の改定について、日本政府はこれを提起せず、米国政府はこれを拒否している。今回も、綱紀粛正、再発防止という口先だけの対応で済ませようとしており、正に占領者意識そのものと言わなければならない。このような状況は、基地撤去以外に問題の解決策がないことを明確に示している。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、普天間基地を始めとする米軍基地撤去をアメリカに求めること。
二、基地の永久化をはかる辺野古新基地建設工事を中止すること。
三、日米地位協定を抜本的に改定すること。

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