請願

 

第190回国会 請願の要旨

新件番号 3620 件名 義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律案の徹底審議に関する請願
要旨  「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律案」は、不登校対策と夜間中学の拡充を趣旨とするものであるが、大多数の不登校当事者や経験者、保護者の多くの懸念や不安の声を聞くことなく、また、全国の不登校の子供たちの実態とニーズを子供の立場に立って調査・反映することなく、ごく一部のフリースクール関係者の意見のみを当事者の賛意の根拠として、法案提出に向けて作業が進められてきた。この法案は、不登校の責任を当事者に押し付け、学校になじまない子供だけに学校以外の場所での教育を行う別学体制を敷いて法の下の平等を侵害し、学校の改善につながらない内容になっており、不登校の子供を法律によって定義し、子供たちを分類し、縛り、追い詰めるものである。分類した先は、不登校とされた子供ばかりが集められることになり、学校から多様性を奪い、社会全体をより窮屈なものにする。二〇一六年四月二十八日の議員連盟総会においては、自民・公明・民進・おおさか維新が法案を了承し、共産・社民は「不登校に関する部分は成立を急がず、市民の声を聞いて慎重に審議を。夜間中学に関する部分は速やかに成立を。」としている。超党派の議連内で全会派一致を得られない内容であり、反対や懸念や不備と不十分さを理解しながら、議員立法に附帯決議を付けて成立を急ぐのでは、当事者のための法律にならない。今国会での成立を急がず、フリースクールに関係しない当事者、保護者、教職員、研究者、教育学者等、幅広い意見をよく聞いた上で、時間を掛け徹底的に審議を行うことを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、法律が必要か否かも含めて拙速を避け十分な時間を掛けて徹底的に審議すること。
二、審議には参考人を招致して、フリースクールに関係しない学識者や不登校に関わる当事者の声を聞く機会を設けること。
三、夜間中学の拡充は趣旨が異なるので、別の法案として分けて検討すること。

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