新件番号 | 3137 | 件名 | 未来を拓く教育保障制度を作ることに関する請願 |
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要旨 | 高等教育機関への進学率が八割に達し、教育費負担はもう限界という声が強まっている。二〇一四年秋、文部科学省は、二〇一二年度の大学等の中退者八万人のうち「経済的理由(二〇・四%)」による中退が前回の二〇〇七年度調査より六・四ポイント増加し、最も多くなったと発表した。さらに、地域間にも貧困と格差が拡大し、都道府県別の四年制大学に進んだ高卒生の割合において最上位の東京七二・五%と最下位の鹿児島三二・一%の差は四〇ポイントと二十年で二倍に広がっている。経済格差による教育格差が一層深刻化する中で、教育無償化こそ最重要の政策課題となっている。日本が教育無償化を進める国になると国際公約し、三年がたった。国連から迅速な全面的実現を求められ(二〇一三年五月社会権規約委員会勧告)ながらも、政府は、いまだにその具体的な無償化プログラムを示していない。OECD(経済協力開発機構)加盟国で比較可能な三十二か国中GDP(国内総生産)に占める教育機関への公的支出は日本が最下位である。二〇一四年末の総選挙において公開質問書に回答した全ての政党が「OECD水準の教育予算増額に賛成」「大学等の給付奨学金は速やかにつくるべきだ」としている。 ついては、未来を担う世代がお金の心配なく学び、成長できる社会をつくるため、次の事項について実現を図られたい。 一、小学校・中学校の給食費の無償化、「高校無償化」所得制限の廃止、大学等無利子奨学金の予約採用適格者全員の採用を速やかに実現すること。 二、十年間で全教育段階の無償化を実現するプログラムを作成し、給付奨学金を実現すること。 公私とも高校は実質無償化し、大学等の学費を下げること。高校・大学等とも奨学金は返還不要の給付制を基本とすること。それが実現するまで貸与制奨学金は無利子にすること。 三、奨学金の返還困難者に対する救済制度を抜本的に拡充すること。 返還困難者に対する返還猶予期間の上限を撤廃し、免除制度を拡大すること。個人信用情報機関への登録制度を中止し、延滞金を廃止すること。 |