請願

 

第190回国会 請願の要旨

新件番号 2546 件名 公営住宅に関する請願
要旨  (一)阪神淡路大震災や東日本大震災等の大規模災害に対して、公共賃貸住宅は大きな役割を果たした。また、超高齢社会における年金生活者である高齢者や子育て中のシングルマザー及び派遣労働者に代表される年収二百万円以下の非正規労働者等の居住の安定にとって、公共賃貸住宅は必要不可欠である。しかしながら、公営住宅は都市部を中心に応募倍率が高倍率になっており、入居できない事態が起きている。住まいは基本的人権という立場で公共賃貸住宅重視の住宅政策に転換し、国民の居住の安定を図ることは、国の大きな役割である。(二)二〇二五年は、団塊の世代が後期高齢者となり、文字どおり超高齢社会を迎える。介護需要も増大することは必至であり、住み慣れた地域で安心して暮らしていける地域包括ケア構想も議論されている。このように、時代のニーズに応じた柔軟な公共賃貸住宅政策が求められている。高齢者の居住の安定を図る施策としてサービス付き高齢者住宅が民間主導で展開されているが、入居費用が家賃とサービス内容(食事、生活支援サービス、共益費等)にもよるが、二十万円以上と高額になっている。公営住宅にサービス付き高齢者住宅要素を取り入れ、高齢者が安い費用で安心して住み続けられる住宅政策を求める。(三)公営住宅への入居の公平性を担保するとして地位承継を原則配偶者にする施策では、高齢の親を介護する子が親の死亡後は地位承継できずに退去を余儀なくされるという状況が生まれている。子が同居することで親はその生涯を全うすることができたが、その子が住宅を追い出されるという仕打ちは非情である。自宅で子の介護がなかったとしたら、親は、施設に入居しなければならない。それは、社会的コストも大きく、住み慣れた地域で暮らしていけるという地域包括ケアシステムの考え方にも反する。地位承継は、せめて子の代まで拡大すべきである。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、公共賃貸住宅重視の住宅政策に転換し、国民の居住の安定を図ること。
二、超高齢社会の現状を踏まえ、時代のニーズに応じた柔軟な住宅政策を展開し、特にサービス付き高齢者住宅は、民間主導ではなく公共主導で公営住宅等に導入を図ること。
三、地位継承を原則配偶者という施策を廃止し、現入居者の居住の安定を図ること。

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