請願

 

第190回国会 請願の要旨

新件番号 2531 件名 治安維持法犠牲者に対する国家賠償法の制定に関する請願
要旨  戦前、天皇制政治の下で主権在民を主張し侵略戦争に反対したために、治安維持法で弾圧され、多くの国民が犠牲を被った。治安維持法が制定された一九二五年から廃止されるまでの二十年間に、逮捕者数十万人、送検された人七万五千六百八十一人(起訴五千百六十二人)、警察署で虐殺された人九十五人、刑務所・拘置所での虐待・暴行・発病などによる死者は四百人余に上っている。治安維持法は日本がポツダム宣言を受諾したことにより政治的自由への弾圧と人道に反する悪法として廃止されたが、その犠牲者に対して政府は謝罪も賠償もしていない。世界では、ドイツ、イタリア、アメリカ、カナダ、韓国、スペイン、イギリスなど主要な国々で戦前、戦中の弾圧犠牲者への謝罪と賠償が進んでいる。日本弁護士連合会主催の人権擁護大会(一九九三年)は「治安維持法犠牲者は日本の軍国主義に抵抗し、戦争に反対した者として…その行為は高く評価されなければならない」と指摘し、補償を求めている。再び戦争と暗黒政治を許さないために、国が治安維持法犠牲者の名誉回復を図り、謝罪と賠償をすることを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、国は、治安維持法が人道に反する悪法であったことを認めること。
二、国は、治安維持法犠牲者に謝罪し、賠償を行うこと。
三、国は、治安維持法による犠牲の実態を調査し、その内容を公表すること。

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