請願

 

第190回国会 請願の要旨

新件番号 2078 件名 慰安婦問題の解決に関する請願
要旨  慰安婦問題は、第二次世界大戦時の日本軍による女性の人権侵害として日本が解決を迫られている問題である。政府は、解決済みとして法的責任を拒否してきた。政府が道義的責任を果たすとして行った女性のためのアジア平和国民基金による償い金事業は被害女性の尊厳を回復するものではなく、基金は多くの関係者に拒否されたまま二〇〇六年度で解散した。日本政府は、国連人権機関やILOから再三慰安婦問題の解決を促す勧告を受けている。二〇〇九年には国連女性差別撤廃委員会から「被害者への補償、加害者処罰、一般の人々に対するこれらの犯罪に関する教育を含む永続的解決への緊急な努力」を再度勧告され、二〇一三年五月には社会権規約委員会及び拷問禁止委員会からも勧告された。被害者は高齢化し、生きている間に解決をという悲痛な訴えは日々切実さを増している。二〇一五年十二月に行われた慰安婦問題に関する日韓合意で日本政府が「責任を痛感している」と国家の責任を明確に認め、おわびと反省の意を示したことは、解決への一歩前進と言える。政府は河野洋平官房長官談話(一九九三年)を継承する立場を明確にし、被害女性が強制的に慰安婦にされ重大な人権侵害が行われたこと、慰安所設置の主体が日本軍であったことを認め、慰安婦問題はなかった等の発言や報道に明確に反駁(はんばく)することが求められる。そして、公式謝罪、国家賠償などにより被害者の人権回復を行い、次世代への正しい歴史教育を行う責任がある。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、被害者への公式謝罪、賠償、次世代教育など「慰安婦」問題の解決を行うこと。

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