新件番号 | 2068 | 件名 | パリ協定を受けた温暖化対策の着実な実行に関する請願 |
---|---|---|---|
要旨 | 近年、地球環境の異常が見られる。かつて経験したことのない異常気象や台風・集中豪雨・土砂災害や猛暑・熱中症多発・デング熱(熱帯性感染症)など被害は身近に迫り、さらに、生態系や農業の激変が始まっている。地球温暖化を放置すると、こうした事態が激化し、より頻繁に将来世代を襲う。温暖化対策は待ったなしの緊急事態であり、温暖化の進行を最小限に食い止めるこの十~二十年の対策が破滅的危機を回避する道であり、将来世代に対する責任である。福島原発事故は、空・大地・海を汚染し、ふるさとを奪い、いまだに十万近い人々に避難生活を強いている。事故収束・帰還さえ見通しが立っていない。しかし、安倍政権は、まるで原発事故などなかったように原発再稼働・原発輸出を進め、三・一一以前に逆戻りさせようとしている。COP21(国連気候変動枠組条約第二十一回締約国会議)では「二℃を十分に下回る水準にする」「二十一世紀後半には排出ゼロ、再生可能エネルギー一〇〇%を目指す」との長期目標を決め、各国の積極的な削減目標と国内対策を義務付けたパリ協定を採択した。また、政府は、二〇五〇年までに八〇%削減の長期目標を閣議決定している。しかし、COP21に向けて日本政府が提出した二六%削減(二〇一三年比)は一九九〇年比では僅か一八%削減にすぎず、この目標すら石炭火発の大増設計画で達成は危ういと言わなければならない。八〇%削減の長期目標を放棄するに等しく、パリ協定と相入れないものである。原発に頼らず、温暖化対策に逆行する石炭火発をやめ、省エネ・再生可能エネルギー普及を積極的に進めることを求める。 ついては、将来世代に原発事故の脅威も、地球温暖化の悪影響も与えない豊かな地域社会を手渡すため、次の事項について実現を図られたい。 一、「パリ協定」を受けて、温室効果ガスを二〇二〇年までに二五%以上削減(一九九〇年比)、二〇三〇年までに五〇%以上削減する目標を国内外に公約すること。 二、温室効果ガスを大量に排出する事業所に、前記の国の削減目標に見合う排出量の規制を義務付けること。 |