請願

 

第190回国会 請願の要旨

新件番号 1946 件名 てんかんのある人とその家族の生活を支える教育に関する請願
要旨  てんかんはあらゆる年齢で発病する脳の病気であり、全国に約百万人の患者がいる。早期診断・治療により、七〇%以上の人が発作のない生活を送ることができる。てんかん発作には、一瞬手足がピクンとしたり短時間ぼんやりするだけの小さなものから全身けいれんまで様々な症状がある。また、不安や鬱、行動障害などの合併障害、医療、生活、学校や仕事の問題など、発作以上にてんかんのある人に深刻な悩みをもたらすことがある。二〇一一年の交通事故報道以降、てんかんを一くくりにして危険視する風潮が高まり、全国でいじめや解雇など不利益事例が報告され、てんかんに対する正しい理解と多様な支援が求められている。
 ついては、てんかんのある人とその家族が安心して暮らせる社会の実現のため、また、二〇一三年に自動車運転に関する二つの法律が成立したときの附帯決議の実現を求め、次の措置を採られたい。

一、教育に関しては、
 1 安心して学習できる学校教育の環境整備をすること。
  (一)てんかんのある子が必要とする、発作時の坐薬(ざやく)の挿入や頓用薬の服用が、医療行為として学校において制限されないようにすること。与薬については、教員全員が基本的な研修を受け、日本てんかん学会の提言等を参考に国のガイドラインを設け、保護者から依頼があった場合には速やかに、日常的支援として学校の判断で実施できるようにすること。
  (二)個人の学習計画に基づき、てんかんのある児童生徒への過度な行動制限(水泳、宿泊研修、理科や家庭科の実習禁止、他)をせず、差別のない適切な指導を行うこと。
 2 学校におけるてんかんの知識を普及すること。
  (一)教員養成課程、特別支援教育研修、教員免許更新研修などあらゆる教員に対する講義及び研修時に、てんかんに関する教育カリキュラムを設けること。
  (二)てんかんに関する補助教材を、全国に配布すること。
  (三)保健体育の時間に、疾患や障害の理解を深めるためのカリキュラムを取り入れること。
  (四)教諭、養護教諭、コーディネーター等の研修の機会として、民間が実施する「講座」などを指定し、より新しく正しい知識の習得を促進すること。

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