新件番号 | 1903 | 件名 | 警察・検察の取調べの全面可視化及び検察の手持ち証拠の全面開示に関する請願 |
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要旨 | 無実の人が罪に陥れられる冤罪(えんざい)事件ほど重大な人権侵害はない。一九八〇年代には、いわゆる死刑再審四事件で死刑の恐怖におびえ続けた四人の死刑囚が再審無罪となり生還した。近年も、志布志事件、氷見事件、足利事件、布川事件など冤罪事件が相次ぎ明らかになっており、冤罪は決して過去のものではなく今も起きている。多くの冤罪事件に共通していることは、(一)取調べ室という密室で自白を強要され、作成されたうその自白調書が有罪の証拠とされている(二)無罪の証拠など検察に不利な証拠が隠されて法廷に出されないことである。二〇〇九年から国民が裁判官と共に刑事裁判に当たる裁判員裁判が始まったが、現状のままでは裁判員も含め冤罪づくりに加担させられることも危惧される。また、最近では郵便不正事件に関わる厚生労働省元局長の冤罪事件、大阪地検特捜部主任検事による証拠改ざん事件が発覚した。元局長の裁判では、検察の筋に合うように関係者にうその供述を強要したことが明らかになり無罪となった。また、大阪地検の改ざん問題では、弁護人に開示されていた他の証拠から改ざんの事実が明らかになった。ここでも、密室での取調べの全面可視化と証拠の改ざんを防止するために検察の手持ち証拠の全面開示の必要性が明らかになった。 ついては、これ以上の冤罪事件を生まないため、また、現在冤罪で苦しんでいる人たちを救済するため、次の事項について実現を図られたい。 一、警察・検察における取調べに当たって、全過程の録音・録画を行うよう法律を改正すること。 二、検察が持っている全ての証拠(検察にとって不利な証拠を含め)を裁判に先立ち、弁護人に開示をするよう法律を改正すること。 |