新件番号 | 1679 | 件名 | 海洋の環境と国民生活を守る事業の体制拡充に関する請願 |
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要旨 | 日本は四方を海洋に囲まれていることから、全国各地に港湾が整備され、港湾を拠点にして人や物資の海上交通運輸が行われている。輸出入においては九九%が港湾を経由しており、国民生活の向上や経済成長の上で港湾は重要な役割を果たしている。一方、近年、地球温暖化に伴う異常気象に伴い、巨大台風やゲリラ豪雨などによって、全国の航路や湾内に大量の海面浮遊ごみが漂流し、船舶の航行安全を脅かす事態も頻発している。また、一九九七年の日本海でのナホトカ号、東京湾でのダイヤモンドグレース号の油流出事故を始め、コンビナート事故や船舶の衝突・海難事故も発生している。海洋に流出した油は、船舶の航行だけでなく、海洋や大気への環境汚染はもとより人体への影響や漁業関係者、地域経済にも大きな打撃を与えるものである。海洋の環境を守り、国民生活の質を維持・向上させることは、国の重要な役割である。そして、船舶の海上交通の安全を維持し、海洋での豊かな自然環境を次世代に継承していく必要がある。その役割を果たすためにも、海洋環境整備事業の実施体制の充実・拡充が重要である。東日本大震災では、地震や津波の被害により陸上の交通網が寸断された。被災地の住民への支援物資の緊急輸送においては、海上からの輸送手段と港湾機能の早期復旧の重要性が改めて明らかとなった。非常災害が発生した場合には、船舶輸送の早期再開を可能とする航路の啓開作業は、国の責任で対応することが必要である。このような国民の安全・安心、そして生活を守る事業の体制拡充は喫緊の課題である。 ついては、次の事項について実現を図られたい。 一、海洋の環境と船舶航行の安全を守る、海洋環境整備事業を国の役割として充実すること。 二、非常災害時に国民生活を守るため、緊急支援物資の輸送や港湾機能の維持・早期復旧を行う国の防災体制を拡充すること。 三、海洋環境整備事業と災害時の港湾機能の維持・復旧のため、国の役割を担う「海洋環境整備船」などの運航は、早急に体制確立を行うこと。 |