新件番号 | 1678 | 件名 | 気象事業の整備拡充を求めることに関する請願 |
---|---|---|---|
要旨 | 二〇一一年三月に発生した東日本大震災は、死者・行方不明者を合わせて約二万人に及ぶ日本の歴史上最大規模の地震・津波災害となった。二〇一四年九月には戦後最悪の火山災害となる御嶽山の噴火により五十八人の死亡が確認された。また、二〇一五年五月には口永良部島の新岳が噴火し、火砕流の発生などで噴火警戒レベル五(避難)が出され、全島民が避難する状況も発生した。さらに、二〇一五年九月には台風第十八号の影響で関東、東北地方で観測史上一位を更新する大雨となり、土砂災害や河川の氾濫により八人の死者を出した。こうした相次ぐ自然災害から人命を守るために更なる防災業務の拡充・強化が求められている。気象防災情報は、気象庁が国の機関として責任を持って作成・発表すべきである。国民から信頼される予報・防災業務を遂行していくために基礎となる自然現象の精密な監視・観測を行い、その成果に基づいた迅速で的確な情報を発表することが重要である。また、災害を予防するためには、情報が住民に対してより迅速かつ確実に伝わり、避難などの具体的な防災活動を引き出せるものでなければならない。しかし、気象庁では、度重なる定員削減により定員は減る一方で、業務は一段と高度化・複雑化を求められ、新たな業務が増え、職員一人に対する業務量が増えている状況となっている。このような状況では、きめ細かな情報の作成や地域に密着した情報や観測データの提供が困難になる。国民全体の気象、地震・火山等の基礎知識や防災意識の向上が自然災害を軽減する上で必要不可欠であり、気象庁が防災の先頭に立つ国の機関として責任を持って情報の提供・指導をしていくべきである。これらを実現するため、自然現象の観測監視や調査研究、数値予報を始め技術開発など気象庁の基盤となる業務の拡充とそれに必要な要員の確保を求める。 ついては、次の事項について実現を図られたい。 一、自然災害から人命を守るため、より精度の高いきめ細かな防災情報が提供できるよう、気象庁の人員と予算を増やし気象観測や予報・技術開発の基盤を強化すること。 |