請願

 

第190回国会 請願の要旨

新件番号 1481 件名 人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案の早期成立に関する請願
要旨  「人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案」(以下「人種差別撤廃基本法案」という。)は、日本全国で繰り返されるヘイトスピーチデモ及びヘイトスピーチ街宣を契機として提案された法案である。人種などを理由とする差別の禁止等の基本原則を示した理念法である。法案は、(一)人種などを理由に侮辱、嫌がらせその他の不当な差別的言動をしてはならない(二)人種等の共通の属性を有する不特定の者について、不安若しくは迷惑を覚えさせる目的又は不当な差別的取扱いをすることを助長し若しくは誘発する目的で差別的言動をしてはならないの二点を骨子としている。全国で繰り広げられたヘイトスピーチデモやヘイトスピーチ街宣に対し、多くの市民が抗議の声を上げた。しかし、多くの抗議の声があるにもかかわらず、現在も差別を扇動するヘイトスピーチデモやヘイトスピーチ街宣は続けられている。時には、脅迫や暴力行使などの犯罪行為を含むヘイトクライムも発生している。市民の抗議には限界があり、また、大きな負担がある。人種差別撤廃基本法案は、社会的少数者への差別とその扇動を禁止する理念を示し、その防止のための法的根拠となるものである。行政組織は、人種差別撤廃基本法案を根拠とすることができる。差別をあおる誹謗(ひぼう)中傷や侮辱、嫌がらせなどに対応することが可能になる。さらに、人種差別撤廃基本法案が運用されることで、どのような行為及び言動がヘイトスピーチ、ヘイトクライムに当たるのかが明瞭になる。社会の根底に潜む差別意識を利用して憎悪をあおるヘイトスピーチ、ヘイトクライムは、社会の安定を根源から崩す危険をはらんでいる。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案」を速やかに可決、成立させること。

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