請願

 

第190回国会 請願の要旨

新件番号 983 件名 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願
要旨  我が国では腎疾患(腎臓病)患者は千三百万人を超えると言われている。腎臓病は、沈黙の病とも言われ、早期発見が大変難しい病気であり、一旦発症すると、長期にわたり根気強い治療が必要となる。また、腎臓病は重症化しやすく、末期腎不全まで至ると、生命を維持するために人工透析治療を続けるか腎臓移植をするしか方法はない。そのような腎臓病患者を一人でも少なくし国民が健康で毎日を送るためには、病気を発症してからの対策、医療ではなく、腎臓病の発症を予防するための施策が重要である。また、発症したとしても医療と施策によりその重症化をとどめることが必要である。近年、糖尿病の合併症として腎不全を発症する患者が急増しているが、腎臓病はもちろん糖尿病も決して生活習慣だけから発症する病気ではない。発症の原因を患者個人の責任にするだけでは腎臓病患者はなくならない。広く国民的課題として国を挙げた取組が必要である。また、腎臓病の患者は高齢化しており、通院を始めとする生活に課題が山積している。これは超高齢社会である我が国において全ての高齢者にも共通する問題であり、患者がより良い生活が送れる社会の実現は国民が安心で充実した毎日を送れる社会の実現につながる。慢性腎臓病(CKD)の重症化を防ぐための施策を始め腎疾患対策の予算化などが実現しているが、腎疾患総合対策が実現しているとはまだまだ言えない。腎疾患総合対策が確立し、国民が腎疾患から守られる日が早く達成されるよう求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、腎臓病の早期発見と重症化予防に向けた総合的な対策が進むように努めること。
二、腎臓病患者が必要な介護支援を受けられる介護保険制度になるよう検討すること。
三、週三回の人工透析治療のため、通院困難な透析患者の通院を保障する体制を公的に整備するよう努めること。
四、広域で大災害が発生しても人工透析治療を受けることができるよう国、地方自治体が連携した災害対策への取組に努めること。
五、腎移植の推進及び再生医療の研究が進むように努めること。

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