請願

 

第190回国会 請願の要旨

新件番号 519 件名 非営利で共助の精神により運営している自主共済や制度共済を将来的に保障するための共済法の制定等に関する請願
要旨  急速な少子高齢化社会の流れにあって、社会保障給付費は、団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年度には百五十兆円に迫ると推計されている。政府・与党は、こうした状況に対応するため、社会保障と税の一体改革の中長期的な道筋を示したプログラム法案を二〇一三年十二月に成立させ、二〇一四年から工程表の実行段階に移った。消費税の二〇一四年四月から八%への引上げ及び七十歳から七十四歳の医療費の自己負担の段階的引上げが実施された。さらに、医療法や介護保険法の改正を一本化した地域医療・介護推進法が二〇一四年六月に成立し、二〇一五年度から施行された。地域包括ケアや費用負担の公平化の名目の下、一定所得以上の利用者自己負担を一割から二割に引き上げ、軽度の要支援者については介護保険のサービスから切り離し、さらに、特別養護老人ホームの入居者を要介護三以上に限るとした内容となっており、いずれも国民に負担を強いる内容となっている。年金についても、支給開始年齢の引上げが既に実施され、マクロ経済スライドが二〇一五年度から適用された。逆に、消費税増税後の景気の落ち込みは政権の予想を超えて長引き、日銀の量的緩和による円安・株高による物価上昇も絡み、富める者はますます富み、弱者はますます困窮するという格差が広がる一方となっている。こうしたことから、消費税増税による社会保障の充実感は感じられない。工程表の実行に当たって、これまでの政策を見る限り、社会保障と税の一体改革に示された「必要な社会保障の充実・機能強化を確実に実施し、同時に社会保障全体の持続可能性を確保するため」とした国民会議の基本的な考え方から後退し、公的給付の削減と国民負担増の道に進むのではないかという不安を抱かざるを得ない。退職後を含めた医療・介護・年金制度の充実は、老後を安心して暮らすために極めて重要である。そのためには、社会保障が持続可能な制度として確立されなければならない。子育て支援や、女性や若者の雇用促進・労働環境の整備は、未来社会への先行投資であり、社会保障の継続性を担保するものである。誰でも安心して子育てができ、学び、働くことができる環境が、老後の生活をも形作るのである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「非営利」で「共助」の精神により運営している自主共済や制度共済を将来的に保障するため、「共済法」の制定を進めること。また、TPPにより共済事業が規制されることのないようにすること。

一覧に戻る