請願

 

第190回国会 請願の要旨

新件番号 304 件名 介護保険制度の改善、介護報酬の引上げ、介護従事者の確保・処遇改善に関する請願
要旨  二〇一五年四月から介護保険制度の見直しが実施された。(一)要支援者の訪問介護、通所介護を費用を抑えた市町村の事業に移し替える(二)一定以上の所得者の利用料を一割から二割に引き上げる(三)特養の入所対象を原則要介護三以上に限定する(四)低所得者を対象とした施設での居住費・食費の負担軽減制度(補足給付)の要件を厳しくするなど、介護サービスの削減と負担増が盛り込まれ、利用者に様々な困難が生じている。利用料の引上げでは、既にサービスを減らすケースが多数生じている。補足給付の見直しでは、預貯金などの資産調査が新たに導入されたことにより、対象から外れ、施設の入所を続けることが困難になっている利用者もいる。事業所に支払われる介護報酬は二〇一五年四月から改定され、かつてない大幅な引下げにより、小規模デイサービスなど各地で経営難を理由とする事業所の廃業が相次いでいる。介護現場の人手不足も深刻である。介護職員の給与は、全産業労働者の平均と比べて低い水準に据え置かれたままである。介護の仕事に展望を持てず、介護福祉士の養成校では入学者が定員を大きく割り込む事態が続いている。利用者も、事業所も、介護従事者も、このままでは将来に希望が持てない。制度の改善は、待ったなしである。
 ついては、利用者に行き届いた介護が保障され、介護職員が専門性を発揮し生き生きと働き続けられるよう、次の事項について実現を図られたい。

一、介護保険の見直しによる介護サービスの利用制限、費用負担の引上げを中止し、必要な人に必要なサービスが保障されるよう制度の大幅な改善を行うこと。
二、介護報酬を大幅に引き上げること。報酬改定がサービスの利用に支障をもたらさないよう、利用料負担の軽減など必要な対策を行うこと。
三、国の責任で、介護従事者の確保・処遇改善のための施策を早急に実施すること。
四、以上を実現するために、介護保険財政に対する国の負担割合の引上げを含め、必要な財政措置を講じること。

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