請願

 

第190回国会 請願の要旨

新件番号 272 件名 盗聴法(通信傍受法)の改悪と共謀罪の新設反対に関する請願
要旨  安倍政権は、日本を戦争をする国へと変えようとしている。その下で、国民を監視し、声を押さえ込もうと秘密保護法を強行し、さらに、憲法違反の盗聴法の大幅な改悪や国民を監視する共謀罪の新設といった治安立法を成立させようとしている。盗聴法(通信傍受法)は、憲法で保障された通信の秘密、プライバシーの権利を侵す違憲の法律である。警察は、日本共産党の緒方国際部長宅の電話を盗聴したことが公にされた後も「過去も現在も盗聴は行っていない」(山田英雄警察庁長官の国会答弁)と開き直った。このように、違法な盗聴への反省のない警察に盗聴捜査の権限を与えること自体大変危険である。一九九九年の成立に当たって、多くの人が反対の声を上げた結果、盗聴の対象犯罪は四つ(薬物、組織的殺人、密航、銃器)に限定され、盗聴に当たり通信事業者の立会いが義務付けられた。ところが、二〇一四年九月の法制審議会の答申では、対象犯罪を大幅に拡大(窃盗や詐欺など多くの犯罪に拡大)し、通信事業者の立会いを廃止するとしている。これでは、盗聴捜査が日常的に行われ、第三者の立会いもないまま自由に大量の盗聴が可能となり、その結果、重大な人権侵害が生まれる。また、共謀罪は、これまで三度国会に上程され、その都度人権を侵害するとして国民の大きな反対で廃案となっている極めて問題の大きいものである。共謀罪は、犯罪を実行する前に犯罪について共謀(話合い・合意)したことを理由に処罰するものである。過去の法案では、対象犯罪は六百以上にも上っている。話合い・合意を処罰するために、警察が日常的に国民の会話を盗聴し、市民運動や労働運動なども監視される危険がある。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、盗聴法(通信傍受法)の改悪を行わず、廃止すること。
二、共謀罪の新設を行わないこと。

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