請願

 

第190回国会 請願の要旨

新件番号 231 件名 元々日本国籍を持っている人が日本国籍を自動的に喪失しないことを求めることに関する請願
要旨  外国人との婚姻、仕事、勉学などのために海外で暮らす日本人は年々その数を増している。滞在が長期になると、社会保障を得るため、職業上の便宜のため、安心して暮らしていくため等の理由でその国の国籍を取得せざるを得ない状況が生まれるが、自ら志望して外国籍を取得すると、現行国籍法の下では日本国籍を失ってしまう。外国人との婚姻などにより自らの意思にかかわらず外国籍を取得した日本人も、二十歳を過ぎているときは取得から二年以内に国籍選択をしなければならない。海外に何十年暮らしても心情的には日本人であり、家族のいる日本とのつながりがなくなることはない。日本国籍を失っている場合には、親の介護のために帰国するときでも外国人として入国しなければならない。状況の変化のために生活の場を日本に移す場合もある。そのような元日本人の数が増えており、日本国籍を放棄する理由はない。国籍唯一の原則は、一九三〇年の条約に倣ったものであるが、その後、ヨーロッパの状況は大きく変化し、一九九七年には自国民が婚姻により当然に外国籍を取得した場合には、権利として当然に重国籍を容認するヨーロッパ国籍条約が採択された。国と国の距離が短くなり往来が自由になった時代に、国籍唯一の原則は、現実にそぐわなくなっている。多文化と多言語を身に付けた者は、国際化を体現する存在として、日本社会に多様性と豊かさを与えることができる。そのような者を排除するのではなく受け入れていくことは、日本の将来にとってプラスになる。海外に暮らす日本人が外国籍を取得しても日本国籍を保持できるよう、世界的な流れと社会的変化を考慮した日本国籍喪失規定の再考を求める。また、現行国籍法によりやむなく日本国籍を失った者の国籍復活の可能性を検討することを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、海外に暮らす成人の重国籍を認めること。

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