新件番号 | 136 | 件名 | 保険で良い歯科医療の実現に関する請願 |
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要旨 | 口の健康は、全身の健康に深く関係している。歯を治療することによって糖尿病、腎臓病、心筋梗塞、さらには認知症などの改善につながっていることも明らかになってきている。しかし、日本社会では格差と貧困が拡大し、口腔(こうくう)の健康格差も生じている。さらに、子供から高齢者まで口腔の健康悪化と崩壊とも言える深刻な事態が新たに広がっている。全国保険医団体連合会の調査では、経済的理由で歯科治療を中断する人を六割の医療機関が経験している。大阪府や宮城県、長野県、三重県、岩手県の調査では、学校歯科健診で要受診とされた児童生徒のうち、小学校で約半数、中学校で三割程度しか受診していないことが報告されている。また、厚生労働省の調査でも、要介護者の約九割が何らかの歯科治療が必要であるにもかかわらず実際に歯科受診をしたのは三割弱という調査結果もある。厳しい労働環境や格差と貧困の広がりは、経済的理由での未受診、歯科治療の早期受診や治療の継続を妨げている。加えて、歯科では日常的に普及した治療でも保険の利かない治療があるために、お金の面での不安が更に受診を妨げる要因になっている。また、長年にわたる国による歯科医療費の抑制政策の下、歯科医院の経営は厳しく、入れ歯や詰め物を提供する歯科技工士にもそのしわ寄せが来ている。いつでもどこでも誰もがお金の心配をせず保険で良い歯科医療を実現することは、患者、国民、歯科医療従事者の共通の願いである。 ついては、次の事項について実現を図られたい。 一、お金の心配をせず、歯科医療が受けられるよう、窓口負担割合を引き下げること。 二、保険の利く歯科治療を増やすこと。 三、国の歯科医療に関わる予算を増やすこと。 |