請願

 

第190回国会 請願の内閣処理経過

件名 ウイルス性肝硬変・肝がん患者の療養支援とB型肝炎ウイルスを排除する治療薬等の研究・開発促進及び肝炎ウイルス検診の更なる推進に関する請願
新件番号 1459 所管省庁 厚生労働省 内閣処理経過受領年月日 H28.11.14
処理要領 一 肝炎患者に対する医療費の支援については、抗ウイルス療法によりB型肝炎ウイルス又はC型肝炎ウイルス(以下「肝炎ウイルス」という。)を排除し、又はその増殖を抑制することで、将来の重篤な病態への進行を予防し、又は遅らせることが可能であり、また、ウイルス量が低減することで、二次感染の予防につながることから、当該療法に対して医療費助成を実施している。また、平成二十六年度から、肝炎ウイルスの感染を原因とする慢性肝炎、肝硬変及び肝がんの患者を対象とする定期検査費用の助成を実施しており、それぞれ順次、対象の拡大を図ってきている。肝硬変及び肝がんの患者に対する支援の在り方については、肝炎対策の推進に関する基本的な指針(平成二十八年厚生労働省告示第二百七十八号。以下「肝炎対策基本指針」という。)において検討を進めることとしている。また、肝硬変及び肝がんの患者に対する医療の実態について調査を開始したところであり、その結果や様々な施策の実施状況を踏まえながら、肝硬変及び肝がんの患者に係る医療費助成の在り方等を含めて検討してまいりたい。
二 B型肝炎の画期的な治療薬については、「肝炎研究十カ年戦略」に基づき、B型肝炎の創薬実用化研究を重要課題の一つとして推進してきており、肝炎対策基本指針では、B型肝炎や肝硬変に対する医薬品や治療法の開発等を今後の取り組むべき課題と位置づけている。
  これまでのB型肝炎の創薬実用化研究において、B型肝炎ウイルスに係る実験基盤の確立並びに既存薬を応用したB型肝炎の治療薬及びゲノム技術を利用したB型肝炎の治療法の開発が進められており、今後、これらの成果をもとに、B型肝炎に対する治療薬や治療法が開発され、実用化に結び付くよう研究に対する支援を行ってまいりたい。
三 肝炎対策においては、肝炎の早期発見及び早期治療が重要であると考えている。このため、政府としては、地方公共団体において行われる肝炎ウイルス検査及び受検勧奨等の取組の支援を行うとともに、地方公共団体に対し、土日及び夜間における検査及び出張型検査の実施、医療機関への委託検査及び健診の場の活用等の受検者の利便性に配慮した取組について働きかけてきたところである。さらに、平成二十六年度から、陽性者を早期治療につなげ、重症化予防を図る観点から、陽性者のフォローアップを実施するとともに、肝炎ウイルス検査において陽性と判定された者を対象とする初回精密検査費用の助成並びに肝炎ウイルスの感染を原因とする慢性炎、肝硬変及び肝がんの患者を対象とする定期検査費用の助成を実施している。定期検査費用助成については、平成二十七年度には助成回数を年一回から年二回に、平成二十八年度には対象者を高所得者以外の世帯に拡大するなど、順次助成対象を広げている。
  また、肝炎総合対策国民運動事業等の普及啓発を通じて、肝炎ウイルス検査の受検及び陽性者の受診促進の更なる推進を図っている。
  今後、厚生労働科学研究の成果を踏まえ、職域における健診との連携及び受検勧奨時の適切な情報提供等を通じて、より効果的な検査及び陽性者のフォローアップの取組を進めてまいりたい。

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