請願

 

第189回国会 請願の要旨

新件番号 3900 件名 全国一斉学力テストの中止に関する請願
要旨  本来、子供たちは「分かるようになりたい」「もっといろいろなことを知りたい」などの願いを持っている。その思いに応える教育こそが今求められている。しかし、二〇〇七年度から始まった全国一斉学力テストは、一人一人の状況に見合った学習よりも平均点(平均正答率)を上げることが至上命題となり、子供たちはそのために追い立てられる結果となっている。過去問対策など画一的で機械的な学習が押し付けられ、学ぶ喜びが奪われている。そもそも、子供たちの指導にいかすためのテストならば、一人一人の子供たちの理解度を把握するために実施されるべきである。そして、そのためには授業で学習した内容に沿ったものでなければ意味がない。しかし、現在実施されている全国一斉学力テストは、全国一斉に該当する学年の全ての子供たちを対象(悉皆(しっかい)調査)としていること、結果公表を可能としていることで教育を大きくゆがめている。ある県では知事が平均点以上の小学校の校長名を公表したり、別の県では学力テストの結果などで百万円の報奨金を出したりなど、ランク付けのためのテストになっており、教育とは無縁の実態となっている。これでは子供たちが意欲を無くすのも当然である。学ぶことは競争ではない。しかも、比べられるのは一部の教科の点数だけである。ランク付けの教育ではなく、一人一人の学ぶ喜びが大切にされ、豊かな人格形成に結び付く教育こそ大切にされるべきである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、子供たちを苦しめ、教育をゆがめる「全国一斉学力テスト」(全国学力・学習状況調査)を直ちに中止すること。
二、序列化につながる、自治体ごと・学校ごとの公表を可能とする「実施要領」は撤回すること。

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