請願

 

第189回国会 請願の要旨

新件番号 3706 件名 自衛隊員とその家族のメンタルヘルスに影響を与える安保法案反対に関する請願
要旨  戦争は戦死の悲劇だけでなく人間に極度のストレスをもたらし、派兵される自衛隊員にPTSD、アルコール・薬物依存症、自殺が増えていく可能性がある。安保法案では、自衛隊員の出動は前線でなく後方支援としているが、そもそも前線が明確でないため、後方といっても戦闘に巻き込まれる危険性が非常に高いと考えるのが妥当である。現在の戦争は、イラクやアフガニスタンの戦争のように前線が明確ではない。突然の路上爆弾、自爆テロなどが見られ、いつどこでどうなるか予測困難で過酷な戦場であるため、極度のストレスにさらされる。また、戦争においては、兵たん、つまり後方支援が不可欠であるため、当然後方も敵から狙われることになる。PTSDの臨床症状には、突然つらい記憶がよみがえる、常に神経が張り詰めている、記憶を呼び起こす状況や場面を避ける、感覚が麻痺(まひ)する、いつまでも症状が続く等が挙げられ、PTSDの患者はアルコールや薬物の関連障害と強い関連があり、攻撃、暴力、衝動制御困難、抑うつが生じるとされる。また、アメリカの研究論文によると、男性兵士の自殺率は一般男性の二倍、女性兵士は一般女性の三倍、アルコールの不適切な使用についてはイラクに派兵されたアメリカ陸軍六千五百二十七人への調査では二八%がアルコールの不適切な使用とされ、飲酒運転や二日酔いによる遅刻の割合も高いと報告されている。本法案により、自衛隊員の出動が拡大されれば、米国のような戦争と戦後の数々の悲劇が自衛隊員とその家族に生じる。自衛隊員とその家族の不幸を防ぐためにも本法案を見過ごすことはできない。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、安保法案を廃案にすること。

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