請願

 

第189回国会 請願の要旨

新件番号 1975 件名 近畿地方の国の出先機関と独立行政法人の体制・機能の充実に関する請願
要旨  様々な政府統計が示すとおり、賃金は落ち込み、若者層を始めとした高い失業率が続くなど、就業・営業や就学の困難が増し、国民生活には格差と貧困が広がり続けている。また、今後東海地震や東南海・南海地震の発生が確実視されるなど、生活への不安は増すばかりとなっている。こうした中で国に求められることは、地方自治体との連携を密にして国民・住民の生命を守り安全・安心を確保する責任と役割を発揮することである。その一方で、少なくない政党が現在の都道府県制度をなくし国の役割を外交や防衛、危機管理、税制などに限定する道州制導入を活発に主張している。道州制は、国が責任を負うべき国民の基本的人権保障を地方政府に移管し、住民に身近な行政サービスは財源の保障がないまま地方自治体の自己責任とするものであり、国民の暮らし・福祉・教育・防災などに関わる住民サービスを後退させるものである。加えて、更なる市町村合併によって住民生活・地域格差の拡大が一層進行し、住民との距離が広がることによる住民自治の形骸化などが懸念される。近畿地方整備局・近畿経済産業局・ハローワークなどの国の出先機関や国立病院機構等の独立行政法人は、暮らしや雇用、安全・安心の確保など近畿地方の住民の基本的人権を支える責任と役割を果たすため設置されている。国の出先機関や独立行政法人を廃止・削減することは、憲法第二十五条に定めるところの国民の健康で文化的な最低限度の生活の水準を保障する国の責任を放棄することにほかならない。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、国民の暮らしや雇用、地域の安全・安心を支える国の責任を果たすため「道州制」を導入しないこと。
二、国の出先機関と独立行政法人の体制・機能を拡充すること。

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