請願

 

第189回国会 請願の要旨

新件番号 914 件名 憲法をいかし安定した雇用を求めることに関する請願
要旨  雇用の状況は深刻である。労働法制の規制緩和の結果、非正規雇用労働者は二千万人を超え、年収二百万円未満のワーキング・プアも約千百万人に達している。若者を使い潰すブラック企業が社会問題となり、就活地獄も深刻である。このままでは日本社会の未来もない。雇用の安定を取り戻し、ディーセントワークを実現することが緊急課題である。そして、経済の再生のためにも政治の主導で賃上げへ進むことが必要である。ところが、政府の雇用改革は日本を世界で一番企業が活動しやすい国にするため労働法制の規制緩和を更に進める政策であり、産業や企業の新陳代謝に合わせて雇用のルールも雇用維持型から労働移動型に転換するとしている。これではリストラが多発し、大量失業時代の到来は必至である。解雇をしやすくし、賃金などの処遇も引き下げる限定正社員制度や労働時間(残業)規制の骨抜きと一体で長時間過密労働を強いる無限定社員づくり、労働者派遣の事実上の自由化など、ブラック企業化を促進し過労死を多発させかねない大改悪である。一握りのグローバル大企業の利益のために、働く人々と日本社会を踏み台にするのではなく、憲法をいかし人間が幸せに暮らせる日本にしていくことこそ、今政治がやるべき本来の役割である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、解雇や雇い止めを規制して、安定した雇用制度にすること。限定正社員や解雇の金銭解決制度など、解雇をしやすくするルール作りは行わないこと。
二、残業代をゼロにする労働時間(残業)規制の骨抜きや労働者派遣の拡大など、労働法制の規制緩和を止めること。
三、「均等待遇」原則を確立し、非正規雇用労働者の差別的な待遇を改善すること。ブラック企業をなくすため、働くルールの整備を進めること。

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