請願

 

第189回国会 請願の要旨

新件番号 544 件名 学生が安心して使える奨学金に関する請願
要旨  「奨学金返済に行き詰まり自己破産」「夫婦で奨学金を返済中。子供を諦めた」など、若者の夢と希望を後押しすべき奨学金が人生を狂わせるという正反対の結果をもたらす事態が起きている。返済への強い不安から、借りたくても我慢してアルバイト漬けの生活を送っている学生も少なくない。卒業後の雇用や就職が不安定になる下で、平均貸与額三百万円もの奨学金返済が重荷となり、八人に一人が返済を滞納又は猶予にせざるを得ない。しかも、一日でも滞納すれば五%もの延滞金が課され、三か月滞納すればブラックリストに載せられる。奨学金がローン地獄への入口となる事態は緊急に解決しなければならない。そのために、全ての奨学金を無利子にするとともに、所得に応じた返済制度の確立、減免制度など困ったときのセーフティネットの拡充、延滞金、連帯保証人・保証料を廃止することなどは急務である。また、経済的理由で中退する学生が急増する下で、給付奨学金の早期導入がいよいよ重要になっている。OECD加盟国で大学の学費があり返済不要の給付奨学金がないのは日本だけである。
 ついては、奨学金返済への不安と負担を軽減し、教育の機会均等を保障するにふさわしい奨学金制度に改革していくため、次の事項について実現を図られたい。

一、学生の有利子奨学金を無利子に切り替えること。
二、所得に応じた返済方法の確立や減免制度の拡充、延滞金や保証人・保証料の廃止など、奨学金返済が若者の生活を追い詰めないように返済方法を改善すること。
三、給付奨学金を直ちに創設すること。

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