請願

 

第187回国会 請願の要旨

新件番号 392 件名 日本軍慰安婦問題の早期解決に関する請願
要旨  過去の大戦における戦争責任として、日本軍慰安婦問題の事実を認め、政府として謝罪し、被害の補償を行うことが国際的にも強く求められている。政府は、一九九三年の河野談話で「慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した」ことを認め、「その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫(わ)びと反省の気持ち」を表明した。そして、その後の歴代首相はこの河野談話を継承するとしてきた。しかし政府・与党は、超党派で提出された「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」をことごとく廃案にし、何ら誠意ある対応をしてこなかった。その上、教科書からも慰安婦に関する記述を消し去り、なかったものにしようとしてきた。このような日本政府に対し世界中で批判の声が高まっている。二〇〇七年米国下院が全会一致で、日本軍が女性を強制的に性奴隷にしたことを公式に認め謝罪するよう日本政府に求める決議を採択した。その後も、オランダ、カナダ、EU、韓国、台湾などが同様の決議を採択し、国連女性差別撤廃委員会、ILO、国連人権理事会などの国際機関も早期解決と謝罪を求める勧告をしている。国内でも、二〇〇八年の兵庫・宝塚市から始まり、地方議会が意見書を採択している。被害者は既に高齢となり、人権を踏みにじられたまま多くの人が亡くなった。政府の公式謝罪と補償は一刻の猶予もならない焦眉の課題である。東南アジア友好協力条約に米国、EUも正式加盟を果たした今、アジアを中心とする平和・非同盟の新しい国際秩序が大きな流れとなっている。日本もアジアの一員として諸国民との友好関係を築き、名誉ある地位を占める上で、慰安婦問題の解決は避けて通ることのできない重要課題である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、日本軍「慰安婦」問題の真相を究明すること。
二、日本軍「慰安婦」被害者に対して、公式に謝罪し、この方々の尊厳を回復すること。
三、日本軍「慰安婦」被害者に対して、国家として補償すること。

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