請願

 

第187回国会 請願の要旨

新件番号 322 件名 全ての子供の権利が保障される保育・教育、子育て支援の実現に関する請願
要旨  経済大国であるはずの日本で子供の貧困率が上昇を続けている。保育・教育、子育て支援に対する公的支出の割合は先進国でも最低レベルであり、格差や貧困が広がり、東日本大震災や原発事故からの復興の遅れなどから子供の命と安全が脅かされている。また、少子化にもかかわらず保育所の待機児童問題が深刻化し、低過ぎる処遇が原因で保育士不足が社会問題化している。必要な職員がそろわないために切実な保育所入所の願いに応えられない事態も起きている。保育所はこれまで憲法第二十五条、児童福祉法第二条、第二十四条などに基づき子供の成長・発達を保障する福祉施設として大きな役割を果たしてきたが、政府は二〇一五年四月から現行制度を大きく改変する子ども・子育て支援新制度(以下「新制度」という。)の実施を決めた。給付制度と直接契約制度を基本とする新制度では、多様な施設・事業に規制緩和も含めた異なる基準が認められ、子供の保育に格差が生じ、保育環境が悪化するのでは、保育料など保護者負担が増えるのでは、などが心配されている。多くの保護者は安心して預けられる認可保育所を求めている。国と自治体の責任の下で、最低基準が守られ、公費による財源保障を基本に保育・教育、子育て支援の制度を整備していくことが子供の権利保障にとって必要である。二〇一四年は日本政府が子どもの権利条約を批准して二十年目に当たる。子供たちは、どんな地域、どんな家庭に生まれても、命、暮らし、遊び、学びの権利を始め、自分らしく生きていく権利の主体として尊重されなければならない。全ての子供が豊かに育つ権利が保障され、誰もが安心して子供を産み、育て、働き続けることができる保育・教育、子育て支援の制度の実現を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、保育を必要とする子供の保育は、児童福祉法第二十四条第一項に基づく認可保育所で市町村が責任を持って行えるようにすること。
 1 保育に要する費用(公定価格)は、乳幼児の発達を平等に支えるにふさわしい内容にすること。
 2 公立保育所の運営費と施設整備費の国庫補助を復活すること。
 3 市町村が認可保育所を基本に待機児童対策などを行えるよう、認可保育所の新増設・整備に向けた特別な予算措置をすること。
二、全ての子供に良質かつ適切な保育・教育が保障されるよう、保育・教育、子育て支援関連予算を大幅に増やし、条件整備をすること。
 1 保育所、幼稚園、学童保育など子供の保育に関わる施策・事業の基準を改善すること。
 2 保育士、幼稚園教諭、学童保育指導員など、職員の処遇を専門職にふさわしいものに改善すること。
 3 保育料などの保護者負担軽減のために必要な措置を採ること。
三、格差と貧困を解消し、誰もが安心して子供を産み、育て、働き続けることができるよう、雇用、労働時間、賃金、住まいなどに関する施策を整備・拡充すること。

一覧に戻る