請願

 

第187回国会 請願の要旨

新件番号 316 件名 保育・教育、子育て支援制度の抜本的改善・拡充に関する請願
要旨  経済大国であるはずの日本で子供の貧困率が上昇を続けている。保育・教育、子育て支援に対する公的支出の割合は先進国でも最低レベルであり、格差や貧困が広がり、東日本大震災や原発事故からの復興の遅れなどから子供の命と安全が脅かされている。また、少子化にもかかわらず保育所の待機児童問題が深刻化し、低過ぎる処遇が原因で保育士不足が社会問題化している。必要な職員がそろわないために切実な保育所入所の願いに応えられない事態も起きている。保育所はこれまで憲法第二十五条、児童福祉法第二条、第二十四条などに基づき子供の成長・発達を保障する福祉施設として大きな役割を果たしてきたが、政府は二〇一五年四月から現行制度を大きく改変する子ども・子育て支援新制度(以下「新制度」という。)の実施を決めた。給付制度と直接契約制度を基本とする新制度では、多様な施設・事業に規制緩和も含めた異なる基準が認められ、子供の保育に格差が生じ、保育環境が悪化するのでは、保育料など保護者負担が増えるのでは、などが心配されている。多くの保護者は安心して預けられる認可保育所を求めている。国と自治体の責任の下で、最低基準が守られ、公費による財源保障を基本に保育・教育、子育て支援の制度を整備していくことが子供の権利保障にとって必要である。二〇一四年は日本政府が子どもの権利条約を批准して二十年目に当たる。子供たちは、どんな地域、どんな家庭に生まれても、命、暮らし、遊び、学びの権利を始め、自分らしく生きていく権利の主体として尊重されなければならない。全ての子供が豊かに育つ権利が保障され、誰もが安心して子供を産み、育て、働き続けることができる保育・教育、子育て支援の制度の実現を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、全ての子供が豊かに育つ権利が等しく保障されるよう、保育・教育、子育て支援の制度を抜本的に改善・拡充すること。

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