請願

 

第186回国会 請願の要旨

新件番号 2571 件名 TPPへの参加をやめることに関する請願
要旨  日本は二〇一三年七月からTPP(環太平洋経済連携協定)交渉に正式参加し、並行して日米交渉も始まった。しかし、安倍首相が「守るべきは守る」と約束した米などの重要農産物の聖域は守れる見通しが不明なまま、次々とアメリカの要求を押し付けられており、このままTPPに参加すれば暮らしや地域経済に深刻な影響を与えることは必至である。TPP交渉では食品添加物や残留農薬基準など食の安全に関わる分野は話合いをしないと報道されたが、日米交渉ではそれらの基準緩和をアメリカから要求されており、食の安全が後退するおそれがある。また、輸入品の関税撤廃が岩手の農林漁業と地域経済に与える影響は深刻である。岩手県の試算では、農林水産物の生産額が三分の一も減少し、関連する食品産業や輸送業などはその二・五倍もの打撃を受ける。これではせっかく復興し始めた被災地の農林漁業や地域経済を潰しかねない。労働分野では外国からの安い労働力が増え、今でも厳しい雇用状況がますます悪化、医療分野では混合診療が拡大し、お金がなければ医療を受けられなくなる。TPPに盛り込まれているISDS条項(投資家対国家の紛争解決)には更に大きな問題がある。日本の法律や政策が外国企業に不利益になるとして変更を迫られる可能性もあり、国の主権すら脅かされかねない。TPPの交渉内容が四年間非公開ということも問題である。国民や国会議員にも明らかにされず一切秘密裏に交渉が行われるような状況では、国民が理解や議論をすることすらできない。食の安全や食料はもちろんのこと、暮らしのあらゆる分野に大きな影響を与え、被災地の復興を妨げるTPPへの参加に断固反対する。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、政府はTPPへの参加をやめること。

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