請願

 

第186回国会 請願の要旨

新件番号 2556 件名 B型・C型肝炎患者への肝炎対策に関する請願
要旨  我が国にはB型肝炎患者・感染者が百三十万人、C型肝炎患者・感染者が二百二十万人、総計で三百五十万人もいると推定されており(厚生労働省)、これらの患者・感染者が適切な治療を受けることが大切である。それにより、多くの肝炎患者・感染者が慢性肝炎から肝硬変・肝がんに進行し死に至ることを回避できる。薬害C型肝炎と集団予防接種のB型肝炎について和解・特措法が成立し、裁判手続で補償・救済する仕組みができた。また、一部の肝炎患者と肝臓移植者に身体障害者手帳が交付される制度が作られた。さらに、平成二十六年度政府予算で重症化予防事業による定期検査費用の助成の予算が計上された。ところが一方で、和解・特措法に基づく救済の対象となったのは、平成二十六年二月末時点で薬害C型肝炎患者が約二千人、集団予防接種のB型肝炎患者が約一万人にすぎず、感染から長期間が経過し証明が困難なため補償が受けられない患者もいる。そもそもウイルス性肝炎に感染していることに気が付いていない患者・感染者が数十万人もいると言われており、症状が顕在化してウイルス性肝炎の感染に気付いたときには肝硬変・肝がんが進行していたという状況もある。また、障害者手帳交付件数も平成二十三年度末の時点で六千二百七十六件(肝臓移植者を含む)にとどまっている。こうした中、現在でも毎日約百二十人の肝炎患者が死亡しており、今でも多くの肝炎患者やその家族が精神的あるいは金銭的に苦境に置かれ厳しい生活を強いられている。
 ついては、B型・C型肝炎患者・感染者が、その苦境から救済され、患者・感染者が減少すること及びまだ感染に気付いていない人が早く治療できるよう、次の事項について実現を図られたい。

一、感染者・慢性肝炎患者への対策
 1 肝炎医療費助成制度(インターフェロン・核酸アナログ製剤治療等への助成)の新薬・新治療法への適用、自己負担額の軽減を行うこと。
 2 副作用の治療費への「医薬品副作用被害救済制度」適用の啓発・適用促進を行うこと。
 3 定期検査費用の助成の助成額・対象者の拡大、初診・再診料、薬剤費への適用拡大など、重症化予防事業を充実すること。
 4 治療法・新治療薬の研究を促進すること。
二、肝硬変・肝がん患者への対策
 1 障害者手帳の認定基準の改善による適用拡大を行うこと。
 2 ウイルス性肝硬変・肝がん患者への医療費助成制度を創設すること。
三、感染に気付いていない者への対策
 1 肝炎ウイルス検査を促進すること。
 2 手術前の検査により発覚した肝炎ウイルス感染者への治療実施など適切な対応を行うこと。

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